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EV需要鈍化でぐらつく韓国バッテリー3社…現代自動車は善戦か

登録:2024-04-15 07:39 修正:2024-04-15 09:16
第1四半期の実績発表予定
クリップアートコリア//ハンギョレ新聞社

 韓国のバッテリーおよび自動車の主要企業の業績不振に対する懸念が強まっている。世界的な電気自動車(EV)の需要鈍化によって、苦戦を強いられているためだ。75%も急減した暫定営業利益を事前に公表したLGエナジーソリューションを筆頭に、サムソンSDIとSKオンの業績悪化が予想される。全般的に完成車企業の業績も鈍化傾向にあるなか、現代自動車は高級車の販売好調に力づけられ、比較的高い実績をあげるものと市場は予想している。

 14日の金融監督院の電子公示システムによると、韓国のバッテリー3社は今月中旬から順次、第1四半期の実績を発表する。市場の専門家らは、3社はいずれも振るわない成績表だと予想してる。バッテリー3社の一番手であるLGエナジーソリューションは、5日に暫定業績公示を通じて、営業利益(1573億ウォン、約170億円)が前年同期比で75.2%減少したことを明らかにした。これさえも、米国のインフレ抑制法(IRA)で得た税額控除分(約1889億ウォン、約210億円)を考慮すれば営業損失だ。売上も30%近く減少した。

 具体的な営業実績の不振理由は、25日に予定される企業説明会(IR)で予想がつくと思われる。ただし、全般的に売上が減ったのはそれだけバッテリーの販売が減少したのであり、事実上の営業損失を出したのはそれだけ費用が大きく膨らんで収益性が損なわれたことを意味する。一部では、リチウムなどのバッテリー原材料の価格下落が収益性を損ねた中心的な原因だとみられている。バッテリー業界は、バッテリーの販売金額に、原材料の原価ではなく販売時点での原材料の相場を反映させる契約を完成車企業と結んでいる。高い時に購入したリチウムで作ったバッテリーを、リチウム価格の下落後に完成車企業に販売したため、損失が生じているということだ。

 他のバッテリー企業の状況も同様だ。証券情報企業「FNガイドコンセンサス」によると、12日時点で証券業界は、サムソンSDIの第1四半期の営業利益は2306億ウォン(約260億円)で、前年比で38.57%の急減と予想した。SKオンも営業損失が続くものと見込まれている。SKオンはこれまで営業黒字を達成したことがない。

 EVの需要鈍化は完成車企業にとっても致命的だ。EVだけを作るテスラの第1四半期の車の引き渡し数は前年比で8.5%減少し、金融市場に衝撃を与えた。現代自動車の第1四半期の実績に対する懸念も強まる状況にある。

 しかし、証券業界からは、現代自動車の営業利益は思ったほど大きくは減らない可能性もあるという見通しが出ている。時間が経つにつれ、営業利益の予想値が徐々に上方修正される流れにある。具体的に、FNガイドコンセンサスは、先月には現代自動車の第1四半期の営業利益を前年比で2.1%減の3兆5154億ウォン(約3900億円)と予想していたが、今月12日時点では営業利益は0.12%減の3兆5885億ウォン(約4000億円)と予測している。先週には営業利益はむしろ0.77%増えるだろうという予想も一部から出ている。

 高級ブランドであるジェネシスやハイブリッドカーがよく売れ、EVの需要鈍化の衝撃を補完するだろうという判断だ。ジェネシスは、米国市場での販売量が17カ月連続で前年比増となっている。ハイブリッドカーは、今年の第1四半期の内需販売が39.6%増え、先月の輸出は過去最高となる37.1%増となるほど、EVの代替として浮上している。また、最近のウォン・ドル為替レートのウォン安傾向も、輸出が多い現代自動車にとっては業績の好材料だ。今年の第1四半期のウォン・ドル為替レートは。前年同期比で1ドルあたり約53ウォン安となっている。レートがウォン安に向かえば、価格競争力が高まるだけでなく、韓国ウォンに換算した実績も大きくなる。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1136554.html韓国語原文入力:2024-04-14 21:59
訳M.S

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