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サムスン電子、株主総会で不満噴出…「半導体首位、2~3年内に取り戻す」

登録:2024-03-20 21:00 修正:2024-03-21 08:18
第55期株主総会 
「AI必須材料」高帯域幅メモリーの競争力への叱責が多数
20日、京畿道水原市の水原コンベンションセンターで開かれた第55期サムスン電子定期株主総会で、株主たちがサムスン電子のハン・ジョンヒ副会長の挨拶を聞いている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 「SKハイニックスは株価が上昇し続けている反面、サムスン電子は7万ウォン台前半で遅々として上がりません。私がみるに、高帯域幅メモリー(HBM)事業の競争力の問題のようですが」(サムスン電子株主)

 「株価が株主の期待に及ばなかった部分について、経営陣の一人としてお詫び申し上げます」(サムスン電子のハン・ジョンヒ代表取締役副会長)

 小額株主だけで467万人に達するサムスン電子の株主総会で「バリューアップ」を要求する声が激しくあがった。最近、サムスン電子半導体事業の競争力が揺らぎ、企業価値がなかなか「7万電子」から抜け出せずにいるためだ。人工知能(AI)ブームの恩恵を受けている他の半導体企業と比較される立場だ。サムスン電子は数年以内に不振を挽回し「半導体首位」の旗を立てると公言しただけに、今後の株主価値が期待に沿った回復傾向を示すか注目される。

 サムスン電子は20日、京畿道水原市(スウォンシ)の水原コンベンションセンターで第55期株主総会を開いた。財務諸表の承認と社外取締役選任、取締役報酬限度承認、定款の一部変更などの案件が可決された。シン・ジェユン前金融委員長と漢城大のチョ・ヘギョンAI応用学科教授が社外取締役に選任され、取締役の報酬限度額は昨年の480億ウォン(約54億円)から今年は430億ウォン(約48億円)に減らされた。イ・ジェヨン会長を社内取締役に選任する案件は今回も上程されなかった。

 株主600人余りが参加した今回の株主総会の現場では、株価不振に対する不満が相次いだ。サムスン電子の株価は今年を通じて7万ウォン台の「ボックス圏」に閉じ込められているだけでなく、ライバル企業に比べても低評価になっている。サムスン電子の最近の株価純資産倍率(PBR)は1.33で、SKハイニックス(1.70)などライバル企業に比べて大幅に低い。普通株1株当りの年間配当額も数年間にわたり1444ウォンで足踏み状態だ。「今年の実績は確実に良くなるのか話してほしい」とか「(株価不振に対する)経営陣の対策は何なのか話してほしい」という要求が続いた。

サムスン電子とSKハイニックスの株価推移

 「AI必須材」といわれるHBMの競争で押されたことに対する叱責が特に多かった。HBMでSKハイニックスに先頭を譲ったために「AI関連の上昇場」から疎外されたという趣旨だ。特に今年は株主が事業全般に対して質問する「株主との対話」の時間が初めて別途用意されただけに、多様な形態の質問が出てきた。ある株主は「HBMで後れを取ったことは認めたようだが、他の次世代技術では確実にライバル企業に比べて優位を持っているのか気になる」と尋ねた。半導体(DS)部門を総括するキョン・ゲヒョン社長(代表取締役)は「二度とそのようなことが起きないようこれまで以上に準備している」と答えた。

 経営陣の責任論も提起された。サムスン電子の長期株主であるオランダ年金資産運用(APG)の関係者は、「会社は今回の人事について、不確実な経営環境の中で(成果主義の代わりに)安定を図ると明らかにしたが、今後また不確実な経営状況になった場合、会社は再び安定を優先順位に置くのか」と尋ねた。他の株主も「役員たちが(業績悪化に対する責任を負って)辞任する考えはないか問いたい」と述べた。ハン・ジョンヒ代表取締役は「昨年の半導体実績不振は半導体市況の悪化が主な原因だ。今年末の人事の幅について申し上げるには時点が早い」と答えた。市場調査会社ガートナーは昨年、企業別半導体売上を分析した結果、インテルが487億ドルでサムスン電子(399億ドル)を抜いて1位になったと明らかにしている。

サムスン電子は20日、京畿道水原市の水原コンベンションセンターで第55期定期株主総会を開いた。今回の株主総会では初めて経営陣と株主との対話の時間が設けられた/聯合ニュース

 市場ではサムスン電子が実際に半導体競争力を引き上げられるか注目している。キョン社長はこの日「2~3年以内に半導体世界首位を取り戻す」として細部部門別の戦略を発表した。先頭を奪われた8段積層HBMの代わりに12段HBMでリードし、市場の主導権を確保するなどの内容が盛り込まれた。巨大言語モデル(LLM)に最適化されたAIチップとして知られる「マッハ1」を今年中に完成するという電撃発表もなされた。キョン社長は「マッハ1の技術検証を完了した」とし、「今年末頃にはチップを作り、来年初めには私たちのチップで構成されたシステムを見ることができると思う」と話した。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1133146.html韓国語原文入力:2024-03-20 18:45
訳J.S

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