消費者が注目した「2023年10大ニュース」とは?
韓国消費者団体協議会(協議会)は12の消費者団体と共同で「今年の消費者10大ニュース」を選定し、20日に発表した。1位には「福島第一原発の汚染水放出開始と水産物の安全性」が選ばれた。
協議会は、今年10月に912人の消費者に対して認識調査を実施したところ、回答者の85.1%(776人)が汚染水放出後に日本産の輸入食品の購入や摂取に対して萎縮した消費パターンを示したと指摘した。回答者は、輸入水産物の安全性を確保するためには日本からの水産物の輸入手続きにおける検査基準の厳格化、項目や品目の拡大など、より厳しい安全措置が必要だと答えた。
2位は「カラーリングシャンプー原料の有害性を示す検証結果」だった。昨年12月から運営されている「化粧品原料安全性検証委員会」による検証の結果、問題の成分である1、2、4-トリヒドロキシベンゼン(THB)の遺伝毒性の可能性は排除できず、閾値(いきち)が存在しないため人体がさらされた際の安全基準の設定が不可能であることが明らかになった。協議会はこれを受け、事業者(モダモダ)に製品の自主回収(リコール)と被害補償対策を要求するとともに、管理当局には有害成分を使用禁止リストに追加し、消費者に積極的に告知するよう勧告している。
3位は「高騰する消費者生活物価と企業によるごまかし」問題が選ばれた。気候危機や不安定な国際情勢などで食品の原材料供給が不安定になったことで、今年は加工食品、外食を含めて食品全般の価格上昇が深刻だった。企業は原材料価格の上昇を大義名分として一斉に値上げの流れに便乗した。さらに最近は「ステルス値上げ」で消費者をだましていると批判されている。
4位は「使い捨て用品の使用規制実施の撤回」、5位は「医学部定員の拡大および保健医療政策の変化」、6位は「伝貰(チョンセ 契約時に賃貸人に高額の保証金を預けることによって、月々の家賃は発生しなくなる不動産賃貸方式)詐欺と不良施工問題」、7位は「気候危機時代における自然災害に対する政府のずさんな対応問題」、8位は「金融・医療分野におけるマイデータなどの個人情報保護問題」、9位は「ダークパターンや違法なマルチ商法などの消費者取引の安全に対する脅威問題」、10位は「生成AI時代における消費者の権益確保」。
韓国消費者団体協議会のナム・インスン会長は「2024年にも消費者団体は消費者の権益の増進のための活動を続けていく。政府と企業も消費者10大ニュースを通じて消費者に対する理解と関心を高めるとともに、積極的にコミュニケーションを取る努力をしてほしい」と訴えた。