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現代自動車、ロシア工場売却し撤退…価格は1万6千円

登録:2023-12-20 06:30 修正:2023-12-20 07:24
ウクライナ戦争の余波で工場を閉鎖 
ロシア政府のガイドに従って2年以内に買い戻しも可能
現代自動車のロシア工場の写真=現代自動車のサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 韓国の現代自動車が戦争で稼動を停止したロシアの工場を1万ルーブル(約1万6千円)で売却し、撤退することにした。

 現代自動車は19日、臨時取締役会を開き、ロシアのサンクトペテルブルクにあるロシア工場(HMMR)の株式を売却する案件を承認した。現代自動車は、ロシア現地メーカーのアートファイナンス(Art-Finance)に工場を売却することを決め、具体的な条件を交渉していると明らかにした。現代自動車はロシア現地の状況を考慮し、すでに販売された車に対する事後管理(AS)運営を続ける方針だ。ロシア工場は、ロシアとウクライナの戦争で昨年3月から稼動中止となっている。

 現代自動車側の発表によると、工場の売却価格は1万ルーブルだという。工場の帳簿上の株式価値は2873億3700万ウォン(約317億310万円)だが、現代自動車は戦争の影響で稼動しなかった約2年を考慮すれば、これまで1兆1300億ウォン(約1247億8900万円)の被害を受けたと集計した。

 売却対象の工場は2010年に建設したサンクトペテルブルク工場と2020年に買収したゼネラルモーターズ(GM)の工場だ。それぞれ最大年間20万台と10万台を生産できる。

 ただし、現代自動車はロシア工場の株式を買い戻すことができる「バイバック・オプション」を契約書に盛り込んだと明らかにした。現代自動車の関係者は、「ロシア政府のガイドに従って、2年内に(権利を)行使することができる。ただ、買い戻せるかどうかは明らかではない」と説明した。

 これに先立ち、日産やルノー、マツダなど他の自動車メーカーも一定期間内に資産を買い戻すことができる条件付きで、現地資産をロシア政府や国営企業、現地合弁会社などに渡して撤退した。ルノーは20ドル、日産とマツダはそれぞれ1ドルで資産を渡した。

 現代自動車も今年初めからカザフスタンの企業と工場の売却を調整中だという報道が相次いだが、ロシア財務省が「非友好国」の投資家が事業体を売却する場合、市場価値の最大10%の税金を払わなければならないと釘を刺したことで、カザフスタンの企業との売却が失敗に終わった。

チェ・ウリ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1121052.html韓国語原文入力:2023-12-20 01:15
訳H.J

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