韓国政府は韓日首脳会談の後続措置として、民間交流を拡大するために航空便の増便に着手することにした。しかし航空業界では、日本行きの主な航空便はほとんどコロナ禍以前の水準に正常化され、効果は限られるものとみている。政府の発表が「宣伝」にとどまるかもしれないという意味だ。
チュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官は24日、政府ソウル庁舎で開かれた非常経済長官会議兼輸出投資対策会議で、「韓日間の人的交流を関係悪化以前の水準に戻す」と述べた。
政府は同日、韓日首脳会談の経済分野の後続措置を発表した。チュ副首相はまず「年間で青少年1万人、国民1千万人の交流達成を後押しするために、両国間の航空便の増便作業に速やかに着手する」とし、「韓日の大学生や修士、博士など未来世代の交流事業を拡大し、30以上の政府間対話チャンネルの復元、経済界の民間協議チャンネルの拡大・再開も支援する」と明らかにした。
しかし、航空業界は韓日間の航空便を増やすという政府発表を歓迎しながらも、実効性には疑問を呈した。昨年10月の日本政府の入国制限規制の緩和で、東京(羽田、成田空港)、大阪(伊丹空港)などの大都市は航空便がすでにコロナ禍以前の2019年の水準に増便されたためだ。国土交通部も昨年12月、韓国と日本の首都を結ぶ金浦(キムポ)~羽田路線の定期便の運航回数を従来の週56回から2019年と同じ週84回に拡大すると発表した。
大手航空会社の関係者は本紙との電話インタビューで「現在、日本路線の回復率は2019年の70~80%程度で、東京や大阪など大都市は100%増便されたが、名古屋や宮崎など需要が少ない地方路線の回復率が低い状況」だと伝えた。格安航空会社(LCC)関係者も「航空便が拡大するのは良いが、小都市以外は路線回復率が上がったので、小都市の路線増便に向けた人材補充のような具体的な計画を出してほしい」と語った。
また、チュ副首相は「両国共同の利益になる新産業、共同投資、サプライチェーン分野での協力を積極的に推進・支援する」として、「龍仁(ヨンイン)に造成する半導体クラスターで、サプライチェーンにおける両国間協力を具体化するための関係省庁の協議体を稼動する計画」だと説明した。建設、エネルギー、スマートシティなど韓日の海外インフラ受注機関間の協力の窓口を設け、ベンチャーおよび研究開発(R&D)の共同ファンド設立なども進めることにした。
チュ副首相はさらに、「米国のインフレ抑制法(IRA)、欧州連合(EU)の炭素国境調整メカニズム(CBAM)などのグローバルイシューには韓日共同の利益に合致するよう対応し、少子高齢化や気候対応などの両国共通の関心課題の共同研究なども年内に推進する」と述べた。
同日、政府は龍仁の半導体クラスターなど、新規国家産業団地15カ所の建設スケジュールも発表した。早ければ2026年から着工できるよう今月中に政府の推進支援団を稼動し、来月までに事業施行企業選びを完了する方針だ。