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世界の半導体市場、来年4%マイナス成長の見通し…サムスン・SKは困惑

登録:2022-11-30 19:29 修正:2022-12-01 06:51
メモリーは不振幅が大きい…業績悪化避けられず
クリップアートコリア//ハンギョレ新聞社

 来年、世界の半導体市場がマイナス成長になるとの見方が随所から出ている。特に韓国企業の主力商品であるメモリー半導体が大きな打撃を受けると予想され、サムスン電子やSKハイニックスの実績にも悪影響が避けられないとみられる。

 世界半導体市場統計(WSTS)は29日(現地時間)、来年の世界の半導体市場規模が今年より4.1%減少した5565億ドルにとどまると見通した。昨年は26.2%の高成長をみせたが、今年は4.4%に鈍化し、来年は反対に萎縮するだろうという話だ。地域別では、米国、欧州、日本、アジア太平洋地域など世界各地域のうち、依然として新型コロナ大流行の余波で苦しむ中国が含まれたアジア太平洋地域がマイナス成長(7.5%)し、市場の不振を牽引すると予想された。

 WSTSは今年8月までは、今年13.9%、来年4.6%の成長を予想していたが、3カ月で展望を大幅に下方修正した。同機関はこのような結論を下した理由について「インフレと最終市場需要の減少により成長展望値を下げた」と説明した。これに伴い、2018年の半導体好況の翌年だった2019年以来、4年ぶりに半導体市場の規模が縮小する見込みとなった。日本経済新聞も専門家の話として、2019年の半導体不況時より在庫がさらに大きく増えているとし、4年前より不振幅が大きくなると懸念を示した。

 他の機関も似たような見通しを示している。米国のIT調査会社であるガートナーは28日、半導体市場が今年4.0%成長した後、来年は3.6%のマイナス成長になると予想した。台湾の国策研究機関である工業技術研究院も、来年の半導体市場が3.6%縮小するものとみている。

 またガートナーは「現在、半導体市場はスマートフォン・パソコンなどで構成された消費者主導の市場と、企業主導の市場の間で両極化している」と説明した。消費者主導の市場は40年ぶりの最悪のインフレと金利上昇といった要因により、可処分所得が減り、人々が旅行・レジャーなどをスマートフォンやパソコンのような技術製品より優先視しているため、停滞が予想される。企業主導の市場は、経済鈍化と地政学的緊張にもかかわらず企業のインフラ強化や事業拡張計画、デジタル化戦略などに支えられ相対的には良好だとガートナーは分析した。

 半導体業界の業況不振は、サムスン電子やSKハイニックスといった韓国企業がシェア1・2位を占めるメモリー半導体に集中するとみられる。WSTSとガートナーは、来年のメモリー半導体市場がそれぞれ17.0%、16.2%のマイナス成長を示すとみた。メモリー半導体はすでに価格が下がっている。台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、今年第3四半期(7~9月)のDRAMとNAND型フラッシュの平均価格は前期比でそれぞれ15%、28%下落した。

 ブルームバーグ通信は先月、「サムスン電子とマイクロンの半導体需要に対する警告が出たことを受け、アナリストらは2008年以降、最も速いスピードで業績展望値を下方修正せざるを得なくなった」とし、「周期的な低迷を超え、(先端技術産業をめぐる)米中間の緊張関係も半導体業界の苦悩を加重している」と伝えた。

チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/globaleconomy/1069605.html韓国語原文入力:2022-11-30 16:41
訳J.S

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