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韓国、インフレのピークはまだ…ウォン相場、1ドル=1390ウォン突破

登録:2022-09-15 06:15 修正:2022-09-15 07:05
13年5カ月ぶりに取引中1390ウォン突破 
8月の米国物価、インフレの長期化を示唆 
市場専門家「ウォン相場、1ドル=1450ウォンの可能性も」
14日午後、ソウル中区(チュング)ハナ銀行のディーリングルームにドルに対するウォン相場の終値が表示されている。同日のウォン相場は、17.3ウォン安の1ドル=1390.9ウォンで取引を終えた/聯合ニュース

 ウォン相場が1ドル=1390ウォンを突破し、1400ウォン目前に迫っている。米国の8月の消費者物価指数(CPI)の上昇率(対前年比)が8.3%で「インフレーションのピーク論」を期待した市場の予想が外れ、ウォン安が急速に進んでいる。ウォン安は貿易収支赤字や輸出の低迷など韓国の国内要因が次第に大きくなっている中、国外要因の米連邦準備制度理事会(FRB)の通貨緊縮の速度もはるかに進むものと予想され、さらに深く、また長く続く可能性が高まっている。

 14日、ソウル外国為替市場でのドルに対するウォン相場は、前取引日より17.30ウォン安の1ドル=1390.90ウォン(終値)を記録した。ウォン相場が1390ウォンを突破したのは、グローバル金融危機の2009年3月30日(1391.50ウォン)以来、13年5カ月ぶりのことだ。取引中は1395.50ウォンまでウォン安が進んだ。もし今後のウォン相場が1400ウォンを突破した場合、1998年の通貨危機、2009年の金融危機の時に続き3番目となる。同日、KOSPI(韓国総合株価指数)は前日より1.56%(38.12)下落した2411.42で取引を終え、2400ポイント台を辛うじて守った。

 ウォン安ドル高には、昨夜発表された米国の8月のCPIの上昇率が8.3%(前年同期比)で、市場の予想(8.0%)を上回ったことが影響した。特に市場を驚かせたのは、米国のコアCPIだった。米国の8月のCPI上昇率は前月(8.5%)に比べて少し低いが、変動性の大きいエネルギーおよび食料品価格を除いたコアCPIの上昇率は6.3%で、前月(5.9%)より高かった。3月の6.5%から4月6.2%、5月6.0%、6月5.9%へと次第に低くなる傾向を見せてきたコアCPIが再び急騰したのだ。

 基調的な物価の流れを示す指標であるコアCPIの再上昇は、米国のインフレが思ったより長期化する可能性があることを意味する。国際原油価格と穀物価格が下がればインフレが沈静化するだろうという希望的な観測を裏切る流れだ。米国など主要国の中央銀行がインフレのピークまでまだ遠いとみて、長期戦に突入した場合、グローバルな金融引き締めのスピードはさらに速くならざるを得ない。FRBのジェローム・パウエル議長は9日(現地時間)「物価が目標値以上に長く留まるほど大衆がこれを規則として受け入れる恐れがあり、これは物価抑制にかかる費用を一層上げるだろう」と述べ、攻撃的な金融引き締めを警告した。

 米国の金融引き締めでドルに対する主要国の通貨価値はほとんど下落している。ところが、ウォンの価値は先月を基点に他の主要通貨に比べて、下げ幅がさらに大きくなっており、懸念を抱かせる。FRBの利上げ、欧州経済の低迷など対外要因に、貿易収支赤字、半導体輸出の鈍化など国内要因まで重なっている。NH投資証券のクォン・アミン研究員は「対内外的にウォン高に方向転換する材料を探すのが難しい状況だ」とし、「ウォン相場の1次抵抗線は1ドル=1420ウォンと判断され、年内に1450ウォンまでウォン安が進む可能性がある」と話した。

チョン・スルギ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1058586.html韓国語原文入力: 訳H.J

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