ドルの前に主要国の通貨が軒並み崩れている。1ドルあたりのウォンレートは、連日のように年間最安値を更新し、ついに1360ウォンも突破した。ドルに対する日本円の価値も24年ぶりの最低に墜落し、英ポンドの価値も6年ぶりに最も大きく下落した。
2日、ソウル外国為替市場でウォン-ドル為替レートは前取引日より7.70ウォン安の1362.60ウォンで締め切られた。終値基準でグローバル金融危機の2009年4月1日(1379.50ウォン)以来13年5カ月ぶりの最安値だ。この日、ウォン-ドル為替レートは1342.0ウォンで取引が始まり、取引中には1363.0ウォンまで下がった。取引中の基準では2009年4月21日(1367.0ウォン)以来最も安い水準だ。
世界中でドルは独歩高だ。米国連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が先月26日(現地時間)、ジャクソンホール会議で「物価安定のためかなりの期間緊縮的通貨政策を維持する」と明らかにしたことで「最後の安全資産」であるドルの価値はますます高まっている。
この日、東京の外国為替市場では円-ドル為替レートも140.37円まで下がった。1ドル当たり140円を超えたのは1998年8月以降24年ぶり。今年に入って、円‐ドル為替レートは18%も下落した。このような下落幅は、1979年(19%)以後43年ぶりの最大であり、1973年の変動為替レート制導入以来2番目に大きい。
英国ポンド貨の価値も暴落している。ドルに対するポンドの価値は、先月1カ月で約5%下落し、「ブレグジット」(英国の欧州連合脱退)決定が出た2016年以降、最も大幅な下落だった。ドルに対するポンド貨の価値は、ブレグジット投票があった2016年6月に約8%、10月には約6%それぞれ下落した。
1日(米国時刻)、ユーロ・円・ポンドなど主要6通貨に対するドルの価値を示すドルインデックス(1973年3月=100)も、取引中に109.99まで上がり、2002年6月1日(109.63)以後で最高値を記録した。
世界的にドル高が続く中、韓国ウォンは貿易収支の赤字負担も負っている。韓国銀行は先月31日、「金融・経済問題分析」で、最近のウォン-ドル為替の下落の流れについて「米国ドルがきわめて強いだけでなく、韓国の貿易収支赤字持続などに起因している」と分析した。貿易収支が赤字を続けるなかで、韓国のドル資金需給に対する不安が強まっているという意味だ。