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韓国、最初の5G商用化にもかかわらず通信装備の競争力で主要国に後れ

登録:2022-07-04 06:36 修正:2022-07-04 07:18
産業研究院の「通信装備産業競争力診断」 
中国、米国、スウェーデン、フィンランド、韓国、日本の順
グラフィック=キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 韓国が第5世代(5G)移動通信サービスを世界で初めて商用化したにもかかわらず、通信装備産業の競争力では米国や中国をはじめとする主要国に比べ、後れを取っていると分析された。主要な技術や製品競争力、材料・部品の供給安定性の不足が原因とみられる。

 産業研究院は3日に公開した「通信装備産業のバリューチェーン別の競争力の診断と政策方向」で、2021年基準で韓国の通信装備産業の総合競争力が100点満点中80.0点を記録したと発表した。中国が96.6点で最も高く、米国92.4点、スウェーデン88.5点、フィンランド85.7点だった。日本は韓国より低い72.9点だった。産業通商資源部の依頼で実施した今回の診断は、産業界・学会・研究分野の専門家10人が議論を行い、合意点を見出す「デルファイ調査」方式で行われたと、産業研究院は明らかにした。中国は二次電池の総合競争力評価でも韓国、日本、米国を抜いて1位だった。

 バリューチェーン別にみると、韓国は調達(75.9)と需要(77.4)段階で最も脆弱で、研究開発(R&D)・設計(82.7)と生産(79.2)段階の競争力も主要国より低いことが分かった。中国は研究開発・設計(96.5)や調達(94.9)、生産(97.2)、需要(97.3)など通信装備産業全般で最も優秀と評価され、特に生産と需要では米国を大きくリードしていた。米国は研究開発・設計(94.6)と調達(94.8)では優秀だったが、生産(89.8)と需要(88.7)では振るわなかった。スウェーデンは研究開発・設計(91.6)に比べて調達(83.8)段階の競争力が不足していると分析された。

 産業研究院は「韓国の通信装備産業の競争力は、バリューチェーン全般で先導国に比べて劣勢であると診断された」とし、「5Gの高度化技術と6Gなど次世代通信の主要な技術を確保するための果敢な研究開発投資が必要だ」と指摘した。

 5G移動通信ネットワークは超高速・超連結を具現する第4次産業革命およびデジタル転換の必須基盤(インフラ)であり、通信装備はその重要な要素に挙げられる。世界の5G移動通信市場は、韓国が最初に商用化して以来、翌年の2020年から急速に成長し、2021年に4GのLTE市場を超える191億ドルを記録した。世界移動通信事業者連合会(GSMA)によると、今年1月基準で世界70カ国が5Gサービスを商用化し、これに伴い通信装備産業も5G中心に移行している。市場調査機関「ガートナー(Gartner)」は、2025年には通信装備基地局市場で5Gが277億ドルを占め、4GのLTE(61億ドル)、2G・3G(1億ドル)を大きく上回ると見通した。

キム・ヨンベ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/1049398.html韓国語原文入力:2022-07-0312:08
訳H.J

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