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サムスン重工業、カタールとLNG船14隻契約…約4千億円規模

登録:2022-06-23 10:10 修正:2022-06-23 11:37
今年の受注目標72%達成
サムスン重工業が建造したLNG運搬船=サムスン重工業提供//ハンギョレ新聞社

 大宇造船海洋と現代重工業に続き、サムスン重工業もカタールが発注した液化天然ガス(LNG)運搬船を受注した。計14隻を建造することになった。受注金額だけで3兆9千億ウォン(約4000億円)にのぼる。

 サムスン重工業は22日、バミューダ地域およびアフリカ地域の船主から17万4千立方メートル級のLNG運搬船を計14隻受注したと明らかにした。これでサムスン重工業の今年の累積受注実績は、船舶数では33隻、金額では63億ドルに増え、半年にして今年の年間受注目標88億ドルの72%を確保した。

 業界では、今回の受注はカタールのLNG供給拡大戦略による契約であると把握している。カタールは世界最大のLNG生産国で、年間生産量を従来の7700万トンから1億2600万トンに増やすプロジェクトを推進している。カタールは世界的にLNGの需要が増えるとみて、2019年からこのプロジェクトを進めてきた。特に中国・欧州が石炭発電からLNG発電への切り替えに乗り出したことで、カタールのプロジェクトに拍車がかかった。LNG発電は石炭発電と比べると温室効果ガス排出量が半分に下がる。このような理由から、LNGはカーボンニュートラル(炭素中立)達成のための「中間燃料」として注目されている。

 カタールの国営エネルギー会社のカタールエネルギーは、このプロジェクトの一環として、2020年に韓国の造船3社(現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋)および中国の湖東造船と船舶スロット契約を結んだ。スロット契約とは、造船所で船舶が建造される場所であるドック(dock)をあらかじめ確保しておく事前契約をいう。当時のスロット契約隻数は116隻であることが知られている。韓国の造船3社が100隻、中国の湖東造船が16隻だ。韓国3社のスロット契約金額は計23兆ウォン(約2兆4000億円)にのぼる。

 2020年のスロット契約後、しばらく本契約がなされていなかったが、今月7日に大宇造船海洋が4隻、現代重工業が2隻とそれぞれ受注し、カタールプロジェクトの出発を告げた。今後さらに受注が続き、韓国の造船業界の収益性が強化される見通しだ。

 一方、今回のカタールLNGプロジェクトは、中国のLNG運搬船の建造能力を評価する尺度としても作用する見通しだ。当時、中国でLNG運搬船を建造する造船所は湖東造船が唯一という状況だった。世界第1位のLNG輸入国である中国は、輸入量を基盤としてカタールで受注を獲得した。造船業界の関係者は「LNG運搬船の建造能力はまだ韓国の方が中国より優位にあるとみる」とし、「今回のカタールプロジェクトの物量を基盤として、中国が市場で検証を受ける機会を得ることになった」と話した。

アン・テホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1048014.html韓国語原文入力:2022-06-2302:52
訳C.M

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