本文に移動
全体  > 経済

「ファウンドリ危機論」反論に出たサムスン電子…「市場の憂慮は行きすぎ」

登録:2022-04-28 20:48 修正:2022-04-29 06:57
第1四半期の実績発表会で受注残額に言及 
収率・顧客離脱論議に正面から反論
サムスン電子の瑞草社屋/聯合ニュース

 「最近出ている市場の憂慮は行きすぎだと考えます」

 サムスン電子が、ファウンドリ(半導体委託生産)の微細工程の収率に関する「危機論」に積極的反論に出た。

 サムスン電子ファウンドリ事業部のカン・ムンス副社長は、28日に開かれた第1四半期実績発表会で「半導体ファウンドリを憂慮する声に対し、現在の主要顧客需要は堅調に維持されている」として「今後5年間の受注残額は昨年の(ファウンドリ)売上の8倍の規模」と話した。

 サムスン電子がファウンドリの受注規模と関連して具体的な数値に言及したのは異例なことだ。市場から提起された4ナノ工程の収率と顧客離脱に対する憂慮を払拭させる意図とみられる。これに先立って、市場ではサムスン電子ファウンドリの4ナノ工程の収率確保が遅れ、大型顧客であるNVIDIAなどが次世代製品の委託生産を台湾TSMCに任せたという話が出回った。

 この日カン副社長は、今後の市場展望と収率向上についても自信を明らかにした。彼は「ファウンドリの顧客の需要が自社のキャパ(生産能力)以上で堅調であり、(ファウンドリの)供給不足現象が続くと予想する」として「まず5ナノ(nm・10億分の1m)工程は成熟した収率段階に入り、4ナノについては初期収率ランプアップ(生産量拡大)は多少遅れた面があったが、早めに安定化するよう注力し、現在は予想した収率向上曲線内に入った状態」と説明した。

 今年第1四半期のファウンドリ事業部の実績も、先端工程の収率改善で一年前より売上が35%増加し、第1四半期の過去最大実績を達成したというのが会社側の説明だ。カン副社長は「3ナノ工程は、先端工程開発システムの改善を通じて、段階ごとの開発検証強化で収率ランプアップ期間を短縮し、収益性を向上させ供給安定化を推進中」だとし「主要な顧客とのしっかりしたパートナーシップを基に、モバイル以外にも高性能コンピューティング(HPC)、ネットワーク分野などで顧客を確保し、顧客ポートフォリオおよび事業構造を改善する」と強調した。

 この日サムスン電子は、今年第1四半期に連結基準で77兆7815億ウォン(約7兆8500億円)を売り上げ、14兆1214億ウォン(約1兆4250億円)の営業利益を出したと公示した。昨年同期に比べ、売上は18.95%、営業利益は50.5%増加した。事業別にみれば、半導体(DS)部門が売上26兆8700億ウォン(約2兆7100億円)、営業利益8兆4500億ウォン(約8600億円)を記録した。昨年末にモバイルと生活家電などを統合してスタートしたデバイス経験(DX)は売上48兆700億ウォン(約4兆8500億円)、営業利益4兆5600億ウォン(約4600億円)水準だった。

 一方、ブルームバーグ通信は27日(現地時間)、サムスン電子が最近バンクオブアメリカ(BoA)の半導体側の吸収合併(M&A)専門家のマルコ・キサリ氏を高位職として採用したと報じた。これに関連して、2016年に米国の電装・オーディオ専門企業ハーマンの吸収後に事実上中断していたサムスン電子の大型吸収合併が再開されるだろうとの展望が出ている。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1040704.html韓国語原文入力:2022-04-28 14:20
訳J.S

関連記事