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韓国銀行総裁「ウォン安、まだ他国よりひどくはない」

登録:2022-04-26 03:40 修正:2022-04-26 08:37
「物価は懸念…金利は柔軟に対処」
韓国銀行のイ・チャンヨン総裁が25日、記者室を訪れて懇談会を行っている=韓国銀行//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行のイ・チャンヨン総裁は、ここのところ目立つウォン安について、「まだユーロや新興国の貨幣などに比べ、ウォンの下げ幅はひどくない」と評価した。

 イ総裁は25日、就任後初の記者懇談会を開き、「1月現在で見てもウクライナ事態が始まった2月末現在で見ても、ドルインデックスの上昇(幅)とウォンの下落の程度はほぼ同じだ」とし、このように述べた。ただしイ総裁は「これから米国の金利がさらに上がれば、ウォン安圧力を受ける可能性は高い」と付け加えた。さらなるウォン安の可能性は残したかたちだ。

 またイ総裁は、金利政策を展開する際に為替レートはターゲットにしないとの考えもほのめかした。同氏は「為替レートは金利だけでなく経常収支、経済ファンダメンタル(基礎体力)などの様々な要因がかかわる」とし「個人的には、為替レートは市場の変数であって政策の変数ではないと考えている」と述べた。さらに、「為替相場が物価に及ぼす影響は見ているが、為替相場をターゲットにして金利を決めるのは望ましくない」と再度強調した。

 イ総裁は、来月の政策金利の追加引き上げについては、「物価と景気をバランスよく見る」とし、韓銀総裁候補に指名されて以降これまで示してきた従来の立場を再確認した。同氏は「今日まで見てきたところでは、物価の方が少し心配な状況だ。今後、通貨政策が正常化する方向(緩和水準の縮小)へと向かうべきだと思う」としながらも、「今後どのような速度で政策金利を引き上げるか、(政策の)方向性を変えるべきかなどは、データにもとづいてバランスと柔軟性を持って対処する」と述べた。

 イ総裁は「短期政策と長期政策は区分しなければならない」とも述べた。同氏は、「我々が短期の金利政策を実施する際に考える成長率と、長期的な成長率(下落)に対する懸念は別の問題だ。(これを)まぜこぜにして議論してはならない」とし、「私は、長期的に見ればハト派(緩和政策を好む)になりたい。(韓国経済の)成長フレームを変え、成長率があまり大きく下がり過ぎないように努めたい」と述べた。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1040308.html韓国語原文入力:2022-04-25 17:09
訳D.K

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