未来の新技術と新製品を披露する世界最大の電子・IT・自動車展示会「2022CES」が5日(現地時間)、米国のラスベガスで開幕する。コロナパンデミックの状況で開かれる中、韓国企業が「主役」として注目を集めているのが目を引く。市場での地位が高まった上、積極的なマーケティング戦略で、参加を見送った米国・中国企業の穴を埋めているからだ。今年の展示会で注目されるエコ・ヘルスケア技術、宇宙産業、非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)などにも関心が集まっている。
今年のCESは米ラスベガスで、7日まで3日間開かれる。コロナ禍の中、2年ぶりにオフラインで開かれる。世界中から2200社余りの企業が参加する中、韓国企業は過去最大規模の500社が参加を決めた。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」の感染拡大で、グーグルやアマゾン、ゼネラルモーターズ(GM)などグローバル企業が対面行事への参加を取り消した上、 米中間の「技術覇権」争いの影響で中国企業がほとんど参加を見送ったため、韓国企業が主役に浮上した。
サムスン電子はギャラクシーS21ファンエディション(FE)を含め、モバイルやテレビなどの新製品を大量に公開し、環境・社会・ガバナンス(ESG)に注目した基調演説も行う。従来の消費者家電(CE)とモバイル(IM)を統合したDX部門を総括するハン・ジョンヒ副会長が開幕に先立つ4日、ラスベガスのベネシアン・パラッツォ・ボールルームで「共存の時代」(age of togetherness)をテーマに基調演説を行う。持続可能な地球を作るためのサムスン電子の主要事業を紹介する予定だ。
SKグループは、SKテレコムやSKイノベーション、SKハイニックスなどが参加し、グループレベルの展示場を設ける。SKテレコムは低電力人工知能(AI)半導体とメタバースなど「ネットゼロ」を達成するための革新的な「グリーン情報通信技術(ICT)」を公開する。SKハイニックスは、温室効果ガスや炭素排出削減に貢献できるエコ工程技術やエコ製品パッケージなどを披露する計画だ。「カーボンゼロ生活」をテーマに各系列企業の炭素削減努力も示す。
ク・グァンモ会長の就任後、電装事業に力を入れてきたLG電子は今度の行事で、人工知能基盤の自動運転車のコンセプトモデルである「LGオムニポッド(LG OMNIPOD)」を新しく披露する。LGオムニポッドは車の中で業務を行うためのオフィス空間だけでなく、映画鑑賞や運動、キャンプなど多様なエンターテイメントを楽しめる空間を具現した。また、コロナ禍で家に滞在する時間が増えるにつれ、変化したライフスタイルに合わせた新しい概念の家電も公開する。
現代自動車は「移動経験の領域を拡張する」というスローガンを掲げた。現代自動車グループのチョン・ウィソン会長は4大グループのトップのうち唯一展示場を訪れ、現代自動車の未来ロボットやモビリティ(移動手段)技術などを広報する予定だ。
CESに初めて参加する現代重工業グループは船舶の自動運航とロボット技術を、斗山は水素中心のエコ技術を紹介する。
最近産業界が注目している新技術が大挙公開されるのも、今回の展示会の見どころだ。今年の展示会の基調演説者には、CESで初めてヘルスケア企業アボットのロバート・フォード会長兼最高経営者(CEO)が含まれた。コロナ禍以降、関心が高まったヘルスケア企業の立場を反映したものだ。NFTを直接発行したことのあるパリス・ヒルトン氏も講演者リストに名を連ねた。
民間中心に活発に開発中の宇宙技術が展示会に新たに追加されたことも注目すべき点だ。 CESは未来技術の発展方向を予め垣間見ることのできる機会であるだけに、展示の新設が持つ意味合いも大きいからだ。