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サムスン・LG、サービスロボット事業で勝負か「介護・家事はロボットにおまかせを」

登録:2021-12-13 20:48 修正:2021-12-14 08:02
サムスン電子が2019年のCESで公開したロボット。左から「サムソンボット・リテール」、「サムソンボット・ケア」、「サムソンボット・エアー」=サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子は、今年2月に消費者家電(CE)部門長の直属として新設したロボット事業化TFを、常設組織のロボット事業チームに格上げする組織改編を最近断行した。昨年末、ロボット事業センターをビジネスソリューション(BS)事業本部に編入させたLG電子と、今年6月に米国のロボットメーカー「ボストン・ダイナミックス」の買収を完了した現代自動車に続く、韓国財界のロボット事業強化の行動だ。これらの企業がロボット事業を加速する理由は何か。

 13日の業界の説明によると、10日に発表されたサムスン電子の今回の組織改編は、ロボット商用化の信号弾と読み取れる。これに先立って同社は、2019年から今年初めまで、国際電子製品博覧会(CES)のたびに高齢者介護に特化した「サムソンボット・ケア」、着用型歩行補助ロボット「ジェムスヒップ」(GEMS Hip)、家事サービスの役割をする「サムソンボット・ハンディ」など、同社が開発中の個人サービス用ロボット製品群を紹介してきた。今年1月のCESプレスカンファレンスに臨んだサムスンリサーチのスン・ヒョンジュン所長(社長)は「ロボットは人工知能(AI)基盤の個人化サービスの頂点」とし「ハードウェアとソフトウェアを最適化した結合を通じて、ロボットが個人の生活のパートナーの役割を果たす」と明らかにした。

 LG電子は、サムスンより早く生活密着ロボット市場に参入した。2017年のCESで初めて家庭用芝刈りロボットと空港用案内ロボットを披露した同社は、ク・グァンモ会長の就任初年である2018年に産業用ロボットメーカー「ロボスタ」の経営権を買収し、エンジェルロボティックス、ロボティズ、ボサノバロボティックスなど関連企業に持分を投資した。特にロボット事業は、7月に事業が終了した携帯電話(MC)部門に代わる会社の未来収益の柱として社内で考えられている。現在LG電子は、顧客がGS25(韓国のコンビニブランド)で注文した商品を配達する屋内ロボット配送ソリューション、案内・ガイドなどの複合機能を備えたガイドボットなど、企業間取引(B2B)サービスロボット事業の拡大に力を入れている。自律走行をしながら紫外線ランプで屋内空間を消毒するロボットも開発中だ。

ソウル市江南区駅三洞のGSタワーで、コンビニの職員が「LGクロイ・サーブボット」(LG CLOi ServeBot)に顧客が注文した物を入れている=LG電子提供//ハンギョレ新聞社

 韓国の財閥企業が先を争ってロボット市場に参入する理由は、それだけこの市場の急成長が見込めるためだ。市場調査機関のストラテジー・アナリティックス(SA)が昨年推算・展望した世界サービスロボット市場の規模は、2020年の310億ドルから、2024年には1220億ドルへと4年で4倍近く増える見通しだ。製造業のオートメーションなどに使われる産業用ロボットの市場は日本のファナックや安川電気、ドイツのクカ(Kuka)などのグローバル企業が市場全体の50%以上を占め、すでに飽和状態に達しているが、サービス用ロボットの市場はまだ初期段階という点も、主要企業が市場進出に挑む背景といえる。

 産業研究院 機械・防衛産業室のパク・サンス室長は、本紙の電話取材で「医療分野を除く個人サービス用ロボット市場は、まだ市場を主導するキープレーヤーがいないので、韓国国内の大企業が市場の先行獲得のために積極的な投資に出たとみられる」と述べた。

 一方、サムスン電子のロボット事業本格化のニュースに、この日のコスダック(KOSDAQ)市場ではロボット関連株が値上がりした。ユジンロボットは直前取引日に比べ値幅制限(29.89%)まで上がり、4150ウォンで取引を終えた。この他、ロボティズ(29.73%)、ヒュリムロボット(25.71%)、ロボスタ(15.46%)、ティロボティクス(8.36%)、ロボロボ(7.47%)の株価も急騰した。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1023111.html韓国語原文入力:2021-12-13 17:05
訳J.S

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