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サムスン電子、半導体で高実績…DRAM価格下落でも非メモリーで「自信」

登録:2021-10-09 06:52 修正:2021-10-09 07:18
サムスン電子平沢事業場=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子が半導体の好況に支えられ、四半期売上70兆ウォン時代を切り開いた。しかし、DRAM価格が第4四半期から下落する見通しの中、当面は「9万電子(一株当たり9万ウォン)」の回復は難しいものとみられている。

 サムスン電子は8日、第3四半期の経営実績(連結基準、暫定)を集計した結果、売上高が73兆ウォン(約6兆8千億円)、営業利益が15兆8千億ウォン(約1兆4800億円)を記録したものと推定されたと発表した。昨年の第3四半期より売上は9.02%、営業利益は27.94%増えた水準だ。今年の第2四半期に比べて、売上は14.65%、営業利益は25.70%増加した。四半期売上が70兆ウォンを突破したのは今回が初めてで、営業利益も半導体の超好況期だった2018年第3四半期(17兆5700億ウォン)に続き歴代2番目に大きかった。

 この日、部門別の業績は公開されなかったが、半導体部門でメモリー・非メモリー製品ともに第3四半期の好調に加え、価格が上昇し、供給量が増えた点が第2四半期に比べて業績改善が行われた要因とみられる。NH投資証券のト・ヒョヌ研究員は同日発表した報告書で、急激に進んだウォン高・ドル安やメモリー半導体価格の上昇、ファウンドリーの正常化により、半導体部門が業績改善を主導したと指摘した。スマートフォンの場合、今年8月に発売された第3世代フォルダブルフォン(ギャラクシーZフォールド3、フリップ3)が好調を示しているが、第3四半期の業績に対する新製品の寄与度は低いという分析もある。KTB投資証券のキム・ヤンジェ研究員は「フォルダブル市場の需要は期待以上だが、出荷の割合は(全体の)5%未満で、スマートフォン事業実績の寄与は微々たる水準」だと分析した。

 今後の見通しについては、専門家の間でも意見が分かれている。昨年から続いてきた急激に増えた需要が、最近の新型コロナワクチン接種の増加などで伸び悩み、メモリー半導体がダウンサイクルに入るだろうと予想する人が多いからだ。DRAMは半導体の売り上げの半分ぐらいを占めているとされているだけに、価格が下がった場合、売り上げの減少は避けられない。先月からサムスン電子の第3四半期の業績が史上最高値を記録するだろうという予測が出ているにも関わらず、株価が8月11日以降は7万ウォン台を維持しているのもそのためだ。実際、この日のサムスン電子の株価は、記録的な暫定業績発表にもかかわらず、前日の終値(7万1600ウォン)より0.14%安の7万1500ウォン(約6700円)で取引を終えた。

 ただし業界では、これまで2年水準だったメモリー半導体のサイクルの周期が1年と短くなっただけに、来年第2四半期までDRAM価格が下がっても下半期に反発するという見通しを示している。サムスン電子の関係者は、「最近の状況では半導体価格や需要が1カ月先も予測できない」と語った。これと共に最近サムスン電子は、来年の平沢(ピョンテク)3工場(P3)の完成や新技術3ナノメートル(nm)半導体量産計画を発表するなど、非メモリー事業の競争力への自信を覗かせている。現在の構造ではメモリー半導体の割合が圧倒的に高いが、供給不足に悩まされている非メモリー半導体事業に勝負をかけるという意志とみられる。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1014425.html韓国語原文入力:2021-10-08 16:47
訳H.J

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