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韓国人の経済事情、60歳から「右肩下がり」…引退時期、さらに延びる見通し

登録:2021-11-26 06:23 修正:2021-11-26 07:28
韓国人の黒字人生は28~59歳、それ以降は再び赤字に 
41歳に最も所得高く、45歳に最大の黒字に
今月25日午前、ソウル光化門の世宗大路交差点から通勤する市民が足早に歩いている/聯合ニュース

 韓国人は28歳で「黒字人生」を始め、41歳でピークに達し、60歳からは労働所得より消費が多い「赤字人生」に転じることが分かった。

 統計庁が25日に発表した「2019年国民移転勘定(NTA: National Transfer Accounts)結果」によると、ライフサイクルにおいて、0歳から27歳までは消費が労働所得より多い。教育費支出などで6~17歳の時期には赤字規模が大きいが、中でも17歳の時に赤字が3437万ウォン(約330万円)で最も多かった。28歳からは労働所得が消費を追い越し始め、41歳には最も多い労働所得(3638万ウォン)を手に入れ、44歳には生涯最大の黒字(1594万ウォン)を記録した。60歳から再び消費が所得を追い越し、70代には赤字が1千万ウォン(約97万円)半ば台、80代には1千万ウォン後半台に増えた。ただし、引退年齢が徐々に延ばされ、赤字転換の年齢が2018年の59歳から1歳高くなった。

 「国民移転勘定」は、国民全体の年齢別消費や労働所得に関する情報を活用し、経済活動に対する黒字と赤字の構造を年齢別に把握するための情報だ。2019年1月に2015年基準の国民移転勘定を初めて発表した後、12月には2016年基準を発表した。昨年12月は2017年の基準を、今回は2018年と2019年の基準を一緒にまとめた。2018年基準では黒字人生期間は27~58歳で、45歳に労働所得はもちろん黒字額も最も多かった。

 2019年の生涯の赤字総量は132兆9千億ウォン(約12兆8800億円)だった。全体の生涯消費から労働所得を差し引いた値だが、消費は1102兆7千億ウォン(約106兆8500億円)、労働所得は969兆8千億ウォン(約93兆9700億円)だった。前年に比べると、消費(4.6%)より労働所得(4.9%)が増えた。労働所得のうち賃金所得は928兆630億ウォン(約89兆9300億円)で5.4%増加したが、自営業者の労働所得は41兆7740億ウォン(約4兆4800億円)で6.0%減少した。

 年齢別では、労働年齢層(15~64歳)では131兆7千億ウォン(約12兆7600億円)が純流出した。労働所得のある年齢層であるだけに、税金や社会保障性基金などを多く負担しているからだ。幼少年層(14歳以下)と高齢者層(65歳以上)では、それぞれ147兆5千億ウォン(約14兆3千億円)と117兆1千億ウォン(約11兆3500億円)が純流入した。児童手当をはじめ、教育サービスや基礎年金などが提供されたからだ。相続や贈与など、民間移転も労働年齢層では99兆9千億ウォン(約9兆6800億円)が純流出し、幼少年層と高齢者層ではそれぞれ77兆5千億ウォン(約7兆5千億円)と16兆5千億ウォン(約1兆6千億円)が純流入した。また、幼少年層の民間移転規模(77兆5千億ウォン)は公共移転(71兆3千億ウォン)より多かった。一方、高齢者層は公共移転(76兆1千億ウォン)が民間移転(16兆5千億ウォン)より多い。統計庁は「高齢者層では家族など私的扶養より国の福祉制度がもっと大きな役割を果たすため」と説明した。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1020788.html韓国語原文入力:2021-11-25 16:17
訳H.J

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