韓国で民需用の自動運航船が年末までに建造され、来年からの実証過程を経た後、2026年頃に商用化される見通しだ。来年下半期には国内初の「情報通信技術(ICT)融合電気推進スマート船舶」も建造され、実証手続きに入る。
産業通商資源部は19日、蔚山市(ウルサンシ)とともにエコ・スマート船舶の実証基盤の構築に本格的に着手したと発表した。その一環として、この日蔚山市東区日山洞(トング・イルサンドン)で、蔚山市長や産業部・海洋水産部・関連機関の関係者50人余りが出席した中、「自動運航船性能実証センター」の着工式を行った。センターは日山洞の面積9128平方メートルの敷地に地下1階・地上3階、延べ面積1278平方メートルの規模で建てられる。
事業完了時点は2025年であり、総事業費は国費1196億6400万ウォン(約116億円)を含め1603億2千万ウォン(約155億円)にのぼる。産業部と海洋水産部の共同推進により、自動運航船の主要技術を開発し、体系的な実証を通じて早期の商用化の基盤づくりを目指している。
産業部の関係者は「自動運航船の技術開発事業は昨年から始めており、実証のための『テストベッド』(試験場)が必要であるためセンターを構築するもの」とし「今年12月ごろ実証できる試験船の建造を完了し、来年から実証作業に入ることになる」と述べた。この関係者は「2026年からは人が乗船せず、船を自律的に管理できる『レベル3』水準の自動運航船舶が商用化されるだろう」と明らかにした。また「実証段階で最も重要なのは『トラックレコード』(運航記録)、つまりデータ確保だ」と述べた。
自動運航船は海上運送の画期的な変曲点をなすという点で「海上のテスラ」とも呼ばれている。現在、国内の民需用船舶の自動運航レベルを自動車に比べれば走行補助装置をつけた程度であり、無人状態で運航する段階には至っていない。座標を撮って航路を決めておけば、GPSを活用して飛行機のように決まった経路で移動する形だ。
2026年に商用化の予定の自動運航船舶は、ここから一歩進んで無人状態で運航することになる。ただし、これも完全な意味での自動運航船舶とはいえないと産業部の関係者は明らかにした。陸上で行われる一定の制御作業は依然として必要だという説明だ。
産業部は「センターが完成すれば機材・装備・自律航海システム・自動機関システムに関する運航・船舶の性能などのデータを海運会社、造船所、造船機材メーカーに提供し、国内の造船産業の新成長動力創出に貢献するものと期待される」と述べた。
産業部はこの日、蔚山市とともに蔚山現代尾浦造船で「ICT融合電気推進スマート船舶」着工式もあわせて行った。総事業費450億ウォン(国費235億ウォン)を投じ、国内初の「直流基盤ハイブリッド電気推進実証船舶」を来年下半期に建造する事業だ。電気推進システム・統合制御の体系的な実証を通じて商用化を促進することを目標に掲げている。建造されるスマート船舶は全長89.2メートル、幅12.8メートル、2800トン級の4階規模で、300人以上を乗せることができ、来年から蔚山沖合で運航する予定だ。
産業部の関係者は「既存の『クジラ観光船』が老朽化し転換しなければならない状況で、エコ機材で電気推進のスマート船舶を作ろうということで蔚山市と意見が一致し、現代尾浦造船に発注することになった」と述べた。さらに「スマート船舶は電気推進方式なので環境にやさしく、情報通信技術を融合して最新の制御システムによってかなりの部分の運航の自動化を実現することになる」と説明した。