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韓国の住宅所有者、10人に8人が「住宅価格が上がるのは嫌」…なぜ?

登録:2021-10-14 02:05 修正:2021-10-14 08:35
20代の68.0%「住宅価格はさらに上昇する」
ソウルの南山から眺めた中区、城東区のマンション群/聯合ニュース

 韓国で住宅所有者の10人に8人は、住宅価格の上昇を喜んでいないという調査結果が発表された。20代は、今後「住宅価格はさらに上がる」と回答した割合が、他の年代に比べてはるかに高かった。

 共に民主党のチン・ソンジュン議員室(国会国土交通委員会)と韓国都市研究所が韓国リサーチに依頼して実施した「不動産に関する認識調査」(満18歳以上1000人対象、標本誤差95%、信頼水準±3.10ポイント)の結果を13日に確認したところ、「住宅価格上昇」についての意見を尋ねる質問に対し、回答者の85.1%が「居住費の負担が大きくなるので嫌だ」と答えた。「資産が増えるので良い」は14.9%のみだった。特に目を引くのが、資産価値の上昇が期待できる住宅所有者集団においても「嫌だ」が81.5%を占め、住宅価格上昇に対する拒否感が圧倒的だったことだ。住宅非所有者はこの割合が95.4%とさらに高かった。居住形態別では、「住宅価格の上昇は嫌だ」は月払い家賃の賃借人で95.4%、伝貰(チョンセ。契約時に賃貸人に高額の保証金を預け、月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式)の賃借人で88.2%、自家居住者で81.9%を占めた。

 これは、住宅価格が短期間に高騰したことで住宅所有者も税負担が重くなっており、特に所有する住宅が1軒のみの人の場合は、全般的な住宅価格上昇の中で上への移動が難しくなっているという現象を反映したものと分析される。韓国投資証券資産継承研究所のキム・ギュジョン所長は「住宅価格が短期に異常高騰するとともに、全体的に変動性が大きいことから来る住宅購入および維持の困難さは、ハイレベル地域に住宅を所有している一部を除いては、住宅所有者でも無所有者でも同じだろう」とし「自分の家の価格が10億ウォン(約9510万円)になったのは良いが、引っ越したい家もさらに大きく上昇しているため、もっと良い家への移動が不可能になるなど、住宅価格が全体的に上昇した状況に対する反応とみられる」と話した。実際に、現在の住宅価格に対する意見を聞く質問に対しては、回答者の60.1%が「非常に高い」と答えており、「比較的高い」と答えた30.9%を加えると、91%もの圧倒的多数が現在の住宅価格を「高い」と認識していた。

 住宅価格の上昇に対する拒否感は大きいが、回答者の半数は今後も住宅価格が安定するとは考えていなかった。今後の住宅価格の見通しについては、52.7%が「さらに上がるだろう」と答え、「下がるだろう」の割合(23.6%)の2倍以上だった。「現在の水準を保つ」は23.7%だった。特に20代は「さらに上がるだろう」が68.0%で、平均よりはるかに高かった。この割合の高かった順に年齢層を並べると30代が59.9%、40代が51.3%、50代が45.4%、60代以上が45.5%で、若いほど住宅価格の上昇を予想する割合が高くなる傾向を示した。

 昨年7月31日に導入された伝貰・月家賃契約更新請求権についての意見を求める質問では、自家居住者と賃借人とで意見が分かれた。自家居住者は、廃止を求める意見と維持を求める意見の割合が49.4%対39.9%で、廃止の方が優勢だったが、伝貰賃借人は40.9%対53.2%、月家賃賃借人は34.6%対52.3%で、維持を求める意見の方が多かった。

 住宅価格の安定のために最優先で進めるべき対策としては、投機の取り締まり(29.8%)が最も多くあがり、続いて多い順に住宅供給(24.6%)、政府介入の最小化(19.7%)、複数住宅所有者に対する税負担の強化(13.5%)、金利引き上げ(7.1%)、融資規制(5.3%)だった。

チン・ミョンソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/property/1014938.html韓国語原文入力:2021-10-13 10:45
訳D.K

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