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「走る空気清浄機」水素トラム、韓国での初の開発に成功

登録:2021-04-20 02:36 修正:2021-04-20 07:54
19日に公開されたK-水素トラムの試作品=現代ロテム(株)提供//ハンギョレ新聞社

 水素を燃料として用い「走る空気清浄機」と呼ばれる水素トラム(路面電車)が韓国国内で開発された。

 現代ロテム(株)は19日、慶尚南道の昌原(チャンウォン)工場でソン・ユンモ産業通商資源部長官、キム・ギョンス慶尚南道知事、ホ・ソンム昌原市長らが出席する中、「K-水素トラム試作品公開式」を行った。

 現代ロテムが公開した水素トラムの試作品は3両編成で、同時に100人が乗車できる。この水素トラムは現代自動車ネクソ用の水素燃料電池モジュール、水素バス用の高圧水素タンク、鉄道推進用のリチウムイオンバッテリーを装着している。特に高圧水素タンクは、フランスなどで開発されたものに比べて2倍の圧力に耐えられ、同じ大きさのタンクに2倍の水素を入れることができる。開発された試作品は、42キロの水素をタンクに満たせば、時速70キロで150キロを走行できる。運転は無人の遠隔と手動の両方が可能だ。

 現代ロテムは、来年3月から2023年末まで、蔚山(ウルサン)の既存の線路である蔚山港線の太和江(テファガン)駅から蔚山港駅までの4.6キロの区間で実証運行を行い、水素トラムの性能を改善する計画だ。また現代ロテムは、2024年から水素列車、2030年から水素高速鉄道の開発を進める予定だ。昌原市は、2030年に開通予定の都市鉄道に水素トラムを投入する方針だ。

韓国で開発された水素トラム=現代ロテム(株)提供//ハンギョレ新聞社

 トラムは道路上に設置されたレールを走る運送手段で、バスと列車の中間形態。一般的にトラムは、電車のように空中に設置された電線から電気の供給を受けて動力として使用するため、路面電車と呼ばれる。

 しかし、水素トラムは水素を燃料として用いるため、空中に電線を設置する必要がない。しかも水素トラムは、空気中の酸素を水素と結合させて電気を自ら作るため、酸素を採集する過程で粒子状物質(PM2.5など)などの公害物質を取り除く。このため「都市を走る空気清浄機」と呼ばれる水素トラムは、経済的で環境にやさしい未来の都市交通手段として期待を集めている。現在、韓国、日本、フランス、ドイツなどが水素トラムを開発するために熾烈な競争を繰り広げている。

 昌原市のハ・スンウ水素産業政策官は「水素トラム専用の水素充てん所を早急に建設するなど、韓国で開発した水素トラムが世界市場をリードできるよう支援を惜しまない」と述べた。

チェ・サンウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/991607.html韓国語原文入力:2021-04-19 14:22
訳D.K

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