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WTO事務局長「最後の2人」にユ・ミョンヒ氏が入るか…文大統領も乗り出し総力戦へ

登録:2020-10-05 06:13 修正:2020-10-05 08:03
6日、5人から2人に圧縮する「第2ラウンド」が終了 
文大統領、ドイツ・スウェーデン首相にユ・ミョンヒ氏への支持を要請 
EUが提示する候補に「ユ・ミョンヒ氏が含まれるか」がカギ
産業通商資源部のユ・ミョンヒ通商交渉本部長が16日(現地時間)、スイス・ジュネーブのWTO本部で事務局長候補者の政見発表を終えた後、記者会見をしている/聯合ニュース

 世界貿易機関(WTO)の次期事務局長の選出で最終候補の2人を選ぶ第2ラウンドが、6日に締め切られる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が直接乗り出し、加盟国の首脳らにユ・ミョンヒ候補(通商交渉本部長)への支持を要請し、ユ候補は欧州連合(EU)加盟国を相手に終盤の支持の交渉活動を行うなど、ユ候補選出のための汎政府タスクフォース(チーム長キム・サンジョ大統領府政策室長)が総力戦を繰り広げている。

 文大統領は1日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と電話会談を行い、WTO事務局長選挙に出馬したユ・ミョンヒ本部長の支持を要請した。この日、文大統領はスウェーデンのステファン・ロベーン首相にもユ候補者への支持を要請する書簡を送った。ユ・ミョンヒ本部長は9月27日から今月2日まで、スイスのジュネーブとスウェーデンのストックホルムでWTO事務局長選出の第2ラウンドに備えた支持交渉の活動を展開した。ユ本部長は今回の欧州出張で、欧州地域の15カ国の長官級関係者および多数のジュネーブ駐在の各加盟国のWTO大使に接触し、第2ラウンドでの支持を要請した。WTOは一般的に欧州が主導してきた。

 今回、第2ラウンドに進出した候補は、ユ・ミョンヒ本部長、ヌコジ・オコンジョイウェアラ元世界銀行専務(ナイジェリア)、アミナ・モハメド元WTO閣僚会議議長(ケニア)、モハンマド・アル・トゥワイジリ経済企画相(サウジアラビア)、リアム・フォック国際通商相(英国)など5人だ。第2ラウンド選出の協議では、5人のうちコンセンサスの可能性が低い候補者から3人が順に脱落し、2人が最後の第3ラウンドの決選に進むことになる。現在の構図はユ本部長を含む「女性三つ巴戦」だと分析される。世界銀行で25年勤めた経歴を足場に国際社会で「政治的ヘビー級」だという評価を受けるオコンジョイウェアラ氏、2015年にWTO閣僚会議議長を引き受けるなど強大な「国際通商ヘビー級」と呼ばれるアミナ・モハメド氏も有力な競争者だ。第3ラウンドへの進出者2人は、早ければ8日頃に発表されるとみられる。

 現在、EU・米国・中国など影響力を行使する強大国は、だれか1人の候補を支持する言及を極度に自制している。第2ラウンドは、164の各加盟国が選んだ1~2人を提示する方式により進められる。EU加盟国は一致した共同単一候補(1人もしくは2人)を提示することにしたが、果たして2人の候補にユ本部長が含まれるのか、それともアフリカ候補2人を提示するのかが最大のカギだ。米国と中国は、最後の2人に圧縮された後、特定の候補に対する影響力を本格的に行使する可能性が高い。ユ・ミョンヒ候補が最後の2人に含まれれば、今回の選挙で「初のアフリカ出身事務局長」の構図が弱まり、ユ候補が最終選出者として急浮上するはずだという観測も出ている。複数の消息筋によれば、中国はケニアのモハメド候補を支持することが知られていると伝える外信もある。中国はケニアなどを中心にアフリカに対する最大の貿易・投資国であり、債権者の地位にいる。

 11月3日に行われる米国の大統領選挙で、民主党のジョー・バイデン候補の当選の可能性が高まっていることも重要な変数だ。最近、主要20カ国・地域(G20)の通商・貿易相は「我々は11月7日までにWTO次期事務局長の選出手続きが終えられるよう、すべてのWTO加盟国と共に協力すること待ち望んでいる」と明らかにした。すなわち、最終選出者は米国大統領選挙後の数日後に確定される公算が高い。4日に貿易協会が発表した「2020米国大統領選挙バイデンvsトランプ通商公約比較」報告書は、「バイデン候補は多国間貿易主義を擁護する立場で、WTO改編を通じた多国間通商体制の再建を主導すると見込まれる」とし、「バイデン候補は、中国の国際貿易通商規範への違反を強く批判しているため、WTO体制を通じて全方位的に中国を圧迫すると予想される」と見通した。バイデン氏が当選すれば「WTO体制を通じた中国牽制」の構図が形成されるはずで、中国はユ・ミョンヒ候補よりはアフリカの候補を選択する可能性が高いという観測の中で、米国はアフリカより韓国の候補を選択する可能性も考えられる。

チョ・ゲワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/964312.html韓国語原文入力:2020-10-04 16:48
訳M.S

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