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現代自動車を追い抜いたカカオ、その理由は?

登録:2020-05-25 06:58 修正:2020-05-25 11:54
22日、カカオが現代自動車を抜いて時価総額10位に入城 
ネイバーと現代自動車の時価総額の差は17兆ウォンを超える
ソウル市板橋にあるカカオのオフィス=カカオ提供//ハンギョレ新聞社

 今月22日、現代自動車はカカオに時価総額10位の座を明け渡した。現代自動車の企業価値の下落は数年間続いたが、2月以後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態を契機に非対面サービスが活性化され、カカオの未来成長性が証券市場で改めて照明された影響が大きかった。去年10月末に現代自動車を追い越したネイバーは、その後も引き続き規模を膨らませ、国内証券市場で時価総額4位に上がった。ネイバー・カカオと現代自動車の時価総額の変化の流れは、国内産業環境の変化を可視的に示す象徴的な例との評価が出ている。

 ネイバーとカカオの株価は3月のCOVID-19の急激な拡散の影響で少し停滞した後、4~5月は着実に上昇している。最近になり市場最高額を連日更新している。ネイバーとカカオの22日の終値は、それぞれ23万500ウォン(約2万円)、24万7千ウォン(約2万1000円)で、COVID-19が本格的に拡散する前の1月末に比べて55.3%、28.4%%上がった。さらなる感染拡大を減らすために汎政府的に「社会的距離措置」(ソーシャル・ディスタンシング)が行われて両社の非対面サービスが注目され、同時に使用量が大きく増えて株価が跳ね上がったのだ。

ネイバー・カカオ・現代自動車の時価総額比較//ハンギョレ新聞社

 現代自動車の株価は依然としてCOVID-19以前に戻れずにいる。22日時点で同社の終値は9万4500ウォン(約8200円)で、1月末に比べていまだに24.4%低い。3月に一時6万5900ウォン(3月19日、約5700円)まで下落した後、先月初まで少し反騰の流れを見せたが、最近約1カ月間は9万ウォン(約7800円)台の横ばいを続けており、10万ウォン(約8700円)の敷居を越えられずにいる。COVID-19により米国と中国などの主要輸出市場が凍りついて実績悪化の長期化の憂慮が広まったためだ。この過程で22日、現代自動車(20兆1916億ウォン、約1兆7500億円)とカカオ(21兆5062億ウォン、約1兆8700億円)の間で時価総額の逆転が起きた。昨年10月に現代車を追い抜いたネイバーとの時価総額の差は17兆7千億ウォン(約1兆5400億円)にまで広がった。

 ハイテク株が「COVID-19証券市場」で強気を見せるのは韓国だけのことではない。在宅勤務やオンライン授業などが活発になり、全世界的に使用量が急増した米国のテレビ電話会議サービスのズーム(ZOOM)も株価が大きく上がった。22日現在、ズームの株価は171.06ドル(約1万8400円)で年初に比べて2倍ほど上昇した。在宅勤務などに必須であるクラウドサービスを提供するマイクロソフト(183.51ドル、約1万9800円)、アマゾン(2436.88ドル、約26万2000円)なども急激な株価上昇傾向を続けている。

 専門家はこのような傾向が今後も続くものと見る。KB証券のイ・ドンリュン研究員は「COVID-19以前からコマースやコンテンツ、決済などの利用者の消費態度がオフラインからオンラインに移転してきた。このような流れはCOVID-19を契機にもっと早くなっている」と語った。COVID-19にともなう一時的な特需ではなく、それ以前から継続する巨大な産業環境の変化にネイバーやカカオなどの情報技術企業が乗っていることで、未来成長性は高いとの診断だ。

 実際、ネイバーとカカオは、既存のメッセンジャーや簡便決済、ウェブコミックなどのコンテンツサービスを越えて「ショッピング」にまで事業領域を拡張している。ネイバーが3月に打ち出した「ライブコマース」やカカオが21日に始めた「カカオ・ショッピングライブ」は「スマートフォンに移ってきたホームショッピング」との評価を受けている。カカオ側は「昨年下半期に始めたトークディールライブの成果を基に、プレゼントやショッピング、メーカーズ(注文量に応じて製品を生産するサービス)など、カカオコマース商品全体を対象にライブコマースを拡大した」とし「最近、担当組織を新設してライブコマースプロジェクトに集中している」と語った

チェ・ミニョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/946243.html韓国語原文入力:2020-05-25 02:30
訳M.S

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