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8月、ウォンの実質価値2年6カ月ぶりに最低に

登録:2019-09-23 03:22 修正:2019-09-23 17:01
実質実効為替レート105.5へと下落
ウォンの実質実効為替レートの推移(資料:国際決済銀行)//ハンギョレ新聞社

 米中貿易摩擦の影響でウォン安が続いている中、貿易相手国の通貨価値と物価を考慮したウォンの価値が先月2年6カ月ぶりに最低値に落ちたことが分かった。先月には米国が中国を為替レート操作国に指定するなど、米中対立の激化に伴い、為替レートが1ドル当たり1200ウォン台まで上昇(ウォンの価値が下落)している。

 22日、国際決済銀行(BIS)の集計によると、先月、ウォンの実質実効為替レート指数(2010年=100)は105.05で、2016年2月(104.82)以来最も低かった。同指数は、昨年9月の114.74を頂点として下落傾向が続いた。特に、貿易をめぐる米中の対立が激化し始めた今年4月(110.13)以降、下落傾向が急速に進み、最近4カ月間で5ポイント以上下落した。実質実効為替レート指数は貿易相手国に対する各国の通貨の実質価値を表す指標で、同指数が下落するのは当該国の通貨の実質価値が下落することを意味する。ウォン安が進む時、名目為替レートは上昇する。1ドル当たりウォンの相場は、4月末の1168.2ウォンから8月末には1211.2ウォンへ上昇した。ただし、9月に入っては1200ウォンを下回り、先週20日には1188.0ウォンで取引を終えた。

 ウォンの実質実効為替レート指数は1990年以降、2回にわたって大幅に下がったことがある。一回目は1997年末の通貨危機の時で、1997年8月の121.94から1998年1月には72.33へと40.7%暴落した。二回目は、米国発金融危機の時で、2007年7月の131.11から2008年11月84.79へと35.3%下落した。今回の下落局面では、昨年9月の114.74から今年8月105.05へと8.5%下がった。

 実質実効為替レートの下落は、外国商品の購買力を低下させ、消費者には不利に働く一方、貿易相手国には安価で商品を売ることができるため、輸出企業の価格競争には有利に働く。ただし、最近の輸出不振は全般的な国際貿易の鈍化による結果なので、ウォン安が韓国企業の輸出増加にそれほど大きな影響は与えないものとみられる。

チョン・ナムグ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/910468.html韓国語原文入力:2019-09-22 20:10
訳H.J

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