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「イ副会長の不幸な運命は2013~15年の無理な第2段階継承作業が原因」

登録:2019-09-05 06:07 修正:2019-09-05 09:46
サムスン物産と第一毛織の合併のため  
国政壟断のチェ・スンシル氏に贈賄  
サムスンバイオの会計操作の容疑まで続き  

第1段階作業に対する最高裁の無罪判決が発端  
持ち株会社への転換など第3段階の推進が困難に
グラフィック=キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 「イ・ジェヨン副会長の不幸な運命は2013~2015年に行われたサムスンの第2段階の継承作業によって決まった」

 先月29日、韓国最高裁(大法院)の判決以降、サムスン内外ではこのように指摘されている。最高裁は、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の贈賄および横領事件の判決で、サムスンの継承作業を認め、チョン・ユラ氏に提供した馬3頭を賄賂と判断した。サムスンはこれまで、サムスン物産と第一毛織の不公正な合併をめぐる議論やサムスンバイオロジックス(サムスンバイオ)の粉飾会計疑惑などと関連し、経営継承などとの関連性を強く否定してきたが、その主張が説得力を失うことになった。

 イ副会長の継承作業は大きく2段階に分けられる。第1段階は1990年代半ばから2000年代序盤の間に行われた。イ副会長は、サムスンエバーランドやサムスン電子の転換社債(CB)の安価買収やサムスンSDSの新株引受権付社債(BW)の安価買収などを通じて、経営権の引継ぎのための基礎作業を行った。グループ支配権の掌握に欠かせない持ち株会社格のサムスンエバーランドと中核の企業であるサムスン電子の株式を確保し、継承資金を調達するためにサムスンSDSの株式も確保した。

 第2段階は2013~2015年、サムスンSDSとサムスンエバーランドの上場、サムスン物産と第一毛織の合併が中心となっている。最初の2年間は順風満帆だった。2013年のサムスンSDSとサムスンSNSの合併、サムスンエバーランドの第一毛織ファッション事業部の買収を通じて、イ副会長が大株主であるサムスンSDSとサムスンエバーランドの価値を高めた。さらに、2014年にはサムスンSDSとサムスンエバーランドの上場を断行し、それぞれ数兆ウォン台の資本利得を得た。

 しかし、サムスン物産→サムスン電子→他の系列会社に続くグループ支配権の強化に向け、2015年にサムスン物産と第一毛織(旧サムスンエバーランド)間の合併を無理に推進したことが禍根となった。大株主の国民年金の賛成を得るため、朴槿恵(パク・クネ)前大統領と側近のチェ・スンシル氏に賄賂(馬3頭の提供と冬季スポーツ英才センターへの支援)を提供する強引な方法を動員した。また、イ副会長に有利な合併比率を適用するため、第一毛織の価値を水増しし、これを正当化するため、第一毛織の子会社であるサムスンバイオが資本欠損を防ぐため、会計操作まで犯した容疑を受けている。

 サムスン内外では、サムスン物産と第一毛織の不公正合併や朴槿恵・チェ・スンシルに対する贈賄、サムスンバイオの会計操作の疑いがすべて2015年に発生したことに注目している。三つの事件は、外見上は個別のものに見えるが、イ・ジェヨン副会長の経営継承作業というレンズを通してみると、互いに切り離せない一つの事件であることが浮かび上がってくる。サムスン電子のある元役員は、「サムスンなら何をやってもいいという自惚れが災いした。朴槿恵大統領の退陣と文在寅(ムン・ジェイン)政府の発足も予期せぬ事態だった」と打ち明けた。

 根本的には2009年、サムスンエバーランドとサムスンSDSのCBを安価に発行したことに対する、司法部の軽い処罰が発端になったと指摘する人も多い。最高裁はサムスンSDSのCBを安価に発行したことと関連し、イ・ゴンヒ会長などの背任容疑に対して執行猶予を言い渡すとともに、サムスンエバーランドのCBについては無罪を言い渡した。経済改革連帯副所長のイ・サンフン弁護士は「サムスンエバーランド事件の場合、サムスンの支配権移転の目的でCBを捨て値で発行したことを認めたにもかかわらず、会社の損失がないという理由で無罪を言い渡した」とし、「最高裁がサムスンの経営継承を厳しく断罪したなら、第2段階の継承作業が難しくなっただろうし、イ副会長が法廷に立つこともなかっただろう」と指摘した。

 イ副会長は、賄賂や横領額が50億ウォン(約4億4千万円)を越えており、今後の破棄差戻し審で再び収監される可能性が高くなった。サムスンの3世経営の未来がかなり不透明になったということだ。検察のサムスンバイオ捜査にも弾みがつく見通しだ。参与連帯執行委員長のキム・ギョンニュル会計士は、「最高裁の判決を受け、サムスンバイオの粉飾会計がサムスンの経営継承の過程で行われたという検察の判断に説得力が増した」と述べた。また、サムスン生命の金融持ち株会社への転換やサムスン物産の持ち株会社への転換など、グループに対する支配権強化を仕上げるための第3段階の継承作業を推進することも困難になった。サムスンは2016年上半期のサムスン生命の金融持ち株会社への転換を推進したが、金融監督当局が特別恩恵をめぐる議論を懸念し難色を示したことで、実現されなかった。

クァク・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/908418.html韓国語原文入力:2019-09-04 19:04
訳H.J

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