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サムスン電子のイ・ジェヨン副会長（左から2番目）が今月1日、京畿道華城事業場で開かれたグローバル経営環境点検・対策会議を主宰するため移動している=サムスン電子の「ブラインド」アプリよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

　サムスン電子のイ・ゴンヒ会長の「新経営宣言」26周年が3日後に迫ったこの時期に、サムスンバイオロジックス会計詐欺に対する捜査と関連し、今度はイ・ジェヨン副会長の側近が拘束されるか、召喚される可能性が高くなった。このように検察の矛先がイ副会長に近づいている中、サムスン側はイ会長が1日に電子関係の社長団懇談会を開き「大規模投資」を強調したと異例的に公開するなど、「投資」と「雇用」を掲げた対応策を取っている。

　サムスンは、サムスン電子事業支援TF（タスクフォース）など副社長4人の拘束という前代未聞の事態を迎える可能性が高くなった。ソウル中央地裁は4日、サムスン電子財経チーム担当役員のL副社長(56)など、副社長2人に対する拘束令状実質審査を行っている。これに先立ち、サムスン未来戦略室の後身であるサムスン電子事業支援TFの副社長2人が、サムスンバイオロジックス捜査の証拠隠滅容疑で拘束された。イ副会長の最側近のサムスン電子事業支援TFのチョン・ヒョノチーム長(社長)の召喚も今週に行われる見通しだ。

　今回は特に、サムスンの財務通と呼ばれるL副社長に注目が集まっている。彼はイ・ゴンヒ会長時代、グループのコントロールタワーだった構造調整本部財務チーム出身で、その後身の未来戦略室の役員を務めるなど、グループの“金庫番”として知られる。検察は証拠隠滅と共に、サムスンバイオエピスの株式買収関連の内部極秘事項だった「オーロラ・プロジェクト」にL副社長が関与したものと見ている。L副社長らの拘束が現実化した場合、今回の捜査はイ副会長へとさらに絞られるものと見られる。今月には経営権の引き継ぎと関連し、イ副会長に対する最高裁の判決も予想されている。

　捜査イシューだけでなく、サムスンをめぐる環境は不安定だ。サムスン電子の主力事業であるメモリー半導体の世界的な下降曲線が続いている中、米中貿易紛争も不確実性を高めている。サムスンが「反射利益」を得られるかをめぐり、様々な予想が飛び交っている。メキシコ産輸入品に対する関税賦課など、トランプ政権の関税政策の拡大も難題に挙げられる。

　サムスンは最近、イ副会長を前面に出す対応戦略を取っている。イ副会長が先月、日本の二大移動通信会社を訪問したと参考資料を出したのに続き、6月に入って最初の資料としてイ副会長と系列会社社長団の懇談会の内容を発表するなど、昨年とは異なりイ副会長にかかわる資料を頻繁に発表している。検察捜査と関連し、先月、異例にもサムスン電子の広報チーム名義で「無理な報道の自制」を求める資料も出した。

　財界団体のある役員は「捜査の圧迫が高まる中、経済危機中の大規模な投資と雇用が可能なサムスン、そのトップであるイ・ジェヨン副会長を掲げる方向で対応策をまとめたようだ」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が4月末、イ副会長とともに華城（ファソン）事業所を訪問するなど与党で歩幅を合わせたのも、サムスンのこのような動きに影響を与えたという分析もある。これと関連し、サムスン電子関係者は「(捜査とは別に)イ副会長は未来食品の発掘など、正常な経営活動を行っている」と述べた。