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韓進グループ、死去した会長の空席を埋めるのは長男か、それとも専門経営者か

登録:2019-04-09 09:09 修正:2019-04-09 18:01
チョ会長、肺疾患で昨年11月に渡米  
手術を受けたが、最近状態が悪化  
 
韓進3世の相続の割合に関心集まる  
長男のチョ・ウォンテ社長の継承が有力 
専門経営人体制の可能性も  
 
1700億ウォン台の相続税、支配構造に負担  
韓進KALの配当性向が急激に高まる可能性も
8日に死亡したチョ・ヤンホ韓進グループ会長の一家。長男のチョ・ウォンテ大韓航空社長、長女のチョ・ヒョナ前大韓航空副社長、次女のチョ・ヒョンミン前大韓航空専務//ハンギョレ新聞社

 チョ・ヤンホ韓進グループ会長が8日、持病で死去した。韓進グループの3世経営が本格化するものとみられるが、業界では相続税の負担で支配構造が動揺する可能性と、チョ会長一家の支配力維持のため、持ち株会社「韓進KAL」の配当性向が急激に高まる可能性があると見ている。

 大韓航空は8日0時16分ごろ(韓国時間)、米カリフォルニア州ロサンゼルス現地で、チョ会長が持病の肺疾患で亡くなったと発表した。チョ会長は昨年11月に渡米し手術を受けたが、最近、状態が悪化したという。チョ会長の夫人のイ・ミョンヒ元イルウ財団理事長や長男のチョ・ウォンテ大韓航空社長、長女のチョ・ヒョナ前大韓航空副社長、次女のチョ・ヒョンミン前大韓航空専務など、家族が最期を看取ったと、大韓航空側は明らかにした。

 チョ会長が突然死去し、韓進グループ3世がチョ会長の韓進KALの株をどのような割合で相続するかに関心が集まっている。韓進グループの支配構造は、持ち株会社の韓進KALを頂点に「韓進KAL→大韓航空→孫会社」へとつながる。韓進KALの持ち株の相続が、韓進グループの経営権を継承する構造だ。現在、チョ会長一家が保有した韓進KALの持分は28.93%だ。チョ会長が17.84%を、チョ・ウォンテ氏やチョ・ヒョナ氏、チョ・ヒョンミン氏がそれぞれ2.34%、2.31%、2.30%を保有している。

 業界では、チョ会長の3人兄妹の長男であるチョ・ウォンテ社長の継承の可能性が高いと見ている。チョ社長は2003年にグループに入社し、2017年1月に大韓航空の社長となった。翌年3月、大韓航空の社内取締役に選任されたチョ社長は、チョ会長が今年3月、大韓航空の株主総会で社内取締役の再任に失敗したことで、オーナ一家の中で唯一大韓航空の経営陣に名を連ねている。これに先立ち、チョ・ヒョナ前大韓航空副社長とチョ・ヒョンミン前大韓航空専務は「ナッツリターン」や水の入ったコップを投げつけるパワハラなどで、グループ内のすべての職責から退いた。

 チョ社長の経営能力が検証されていないという点で、グループを引き継ぐ前に一時的に専門経営人体制で運営されるか、チョ・ヒョナ氏とチョ・ヒョンミン氏が経営に復帰する可能性もあるものと見られている。CEOスコアのパク・ジュグン代表は、「チョ・ウォンテ社長を中心に、承継が急スピードで進められるとみられるが、しばらくは専門経営者体制に移行することもあり得る」とし、「現在、経営権から排除された状態だが、これまでの履歴を考慮し、KALホテルネットワークはチョ・ヒョナ前副社長、ジンエアーはチョ・ヒョンミン前専務などで(経営権の継承を)まとめることも考えられる」と分析した。

 順調な継承のためには、相続税の問題も超えなければならない障害だ。パク・グァンレ新韓金融投資研究員は「相続税率50%を適用すれば、チョ会長家族が払わなければならない相続税は1727億ウォン(約168億5千万円)」だとし、「相続を放棄して株主らとのビッグ・ディールで、一家は役員の座を維持し、会社を専門経営人の手に渡す可能性もある」と予想した。相続税の資金調達のため、韓進KALと韓進の配当が増額されることもあり得る。継承過程で経営権紛争が起こる可能性もある。KCGIと国民年金公団の韓進KALの保有持分を合わせると、20.81%だ。

 韓進グループ系列の株式は同日、経営権紛争の可能性と配当増額の見通しまで加わり急騰した。韓進KALの株価は一株当たり3万400ウォン(約3千円)で20.6%も急上昇しており、韓進KALの優先株は市場が開かれた直後から高騰し、価格制限幅(29.9%)まで上がったまま取引を終えた。韓進は11.1%、大韓航空は1.8%、ジンエアーは3.4%上昇した。

シン・ミンジョン、チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/889238.html韓国語原文入力:2019-04-08 21:13
訳H.J

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