ビジネス優位をめぐって競合中の全世界の企業が、自社に有利ならば業種や競争、規模を問わず誰とでも手を結ぶ「ハイパー・コーペティション(Hyper Coopetition)」、日常生活や経済活動でオンラインとオフラインが統合された「オモ・サピエンス(OMO Sapiens)の登場」、景気回復の勢いに乗って全世界企業・消費者が消費・投資のためにクレジットの拡大に乗り出す「レバレッジ拡大の時代到来」などが、2018年の新たなグローバルトレンドに浮上するものと予想される。
25日、現代経済研究院が発表した「2018年のグローバル10大トレンド」によると、第4次産業革命を迎え、全世界の企業・国家がしのぎを削っている中、競争や業種、規模を問わず、自分に有利なら誰とでも手を結ぶ「ハイパー・コーペティション」が行われている。企業レベルでは人工知能(AI)プラットフォームを軸とした協力が展開されており、産業レベルでは、機器および企業間データを連携してサプライチェーンの効率性を追求する業種標準プラットフォーム開発に向け、多様な業種・企業が手を組んでいる。国家レベルでも、グローバル事業の生態系を形成し、有利な市場開発の位置を先取りしようとする協力が行われている。
また、オンラインとオフラインの統合(OMO・Online Merges with Offline)の加速化と人工知能の発展に伴い、日常生活と経済活動で「オモ・サピエンス」が登場している。同研究院は「急増するスマートフォンの活用率や迅速な決済システム、低コスト・高性能のセンサー、人工知能の発展がオモ(OMO)の到来を加速化している」とし、「交通やショッピング、教育などほとんどすべての日常生活領域で、OMOのトレンドが早いテンポで広がっている」と指摘した。「レバレッジ拡大時代の到来」も来年に登場する新たな流れだ。世界経済が緩やかな回復の勢いに乗って、主要国の資産と原材料価格が上昇している上、グローバル投資環境が改善され、家計・企業など経済主体らが消費と投資のために信用(借入・貸与)を拡大するレバレッジ時代が来るということだ。
現代経済研究院はまた、グローバルな政治、経済、産業・経営、技術、エネルギー・資源、社会・文化の面で浮上する10トレンドの一つとして、「賃金なき成長」(Wageless Recovery)を挙げた。景気回復と雇用市場改善にもかかわらず、賃金が上昇しない現象で、同研究員は「主要先進国の雇用主が正社員よりも賃金が低い非正社員の雇用を好むうえ、最近、雇用が飲食・宿泊業などの低賃金業種で増える一方、比較的良質な金融業や製造業における雇用回復のスピードは低迷している」と話した。先進国の「三重利点」(Tripple Advantage)も新しいトレンドに挙げられる。中国など新興国の人件費が急上昇する中、主要先進国では技術革新の加速化と労働生産性の競争力が強まっており、法人税の引き下げやリショアリング(reshoring)企業に対する恩恵の強化で、投資の魅力度が高まっていると共に、保護貿易の拡大で自国市場の保護が強化されている。これによって、来年には米国など先進国を中心に、自国の利点を活用するため、グローバル企業が本国に回帰する流れが本格化する見通しだ。
同研究院はこれと共に「米国優先主義」を強調するドナルド・トランプ米大統領、「新時代の中国特色大国外交」を推進している中国の習近平主席、来年第4期を務めることが確実視されるロシアのプーチン大統領などを始めとした「グローバル・ストロングマン(Strongmen)」の間のパワーゲームの深刻化を政治分野の2018年トレントに選んだ。「ポピュリズムに対抗する市民意識の浮上」も来年に現れる社会分野の新しい流れとして挙げられる。現代経済研究院は「全世界的にポピュリズムが拡散し、それによる副作用に対する懸念が高まっており、これに対する反作用として来年はグローバル共同体の持続可能な発展を志向し、主体的に政治・社会問題に参加・協力した市民意識が浮上するだろう」と見通した。
米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたジェローム・パウエル氏の就任による「新しい世界経済大統領の登場」も来年のトレンドに選ばれた。同研究院は「パウエル氏の漸進的な金利引き上げや金融規制の緩和など、トランプ大統領の基調に合わせ、穏健な動きを示すものと予想される」としたうえで、「しかし、米国経済の成長経路などによって通貨政策の基調が変わる可能性もまた存在する」と明らかにした。中国の習近平政府2期目の任期開始と関連して「習近平改革」(Xi's Reform)も注目すべき来年のトレンドだ。現代経済研究院は「習近平第2期がスタートする来年には、中国経済の灰色のサイと呼ばれる影の銀行(シャドー・バンキング・システム)による金融リスクの拡散を抑制し、鉄鋼やセメントなどの供給過剰解消に向けた産業構造調整が本格化するだろう」と見通した。
エネルギー分野の来年のトレンドとしては「3Eエネルギー」が挙げられた。原油市場の場合、来年、OPEC(石油輸出国機構)の不十分な減産措置の履行と米国の原油生産の拡大により、需給と価格で均衡(Equilibrium)の離脱が起きるかどうか、2020年に開始される新しい気候変動枠組み(パリ気候変動枠組み条約)の発足準備に向け、環境にやさしい(Eco-friend)エネルギー転換と投資の加速化、エネルギーの消費・取引においても人工知能・ビッグデータ機能が加わった効率性(Efficiency)追求の拡散が、新しいエネルギートレンドに浮上されるということだ。