韓米自由貿易協定(FTA)の毒素条項のために、政府が米国産輸入車に運転者と搭乗者の安全を脅かす重大な欠陥を見つけてもリコール措置を取ることができないものと確認された。
国土交通部は8月に韓国GMが米国から輸入し販売する車両「インパラ」のタイヤに欠陥を見つけ、米道路交通安全局(NHTSA)に対して米国の安全基準に符合しているかどうかの有権解釈を依頼したと、10日明らかにした。これに先立ち国土部は自動車安全研究院とともにインパラに対する安全検査を進行する中で、タイヤの横の部分に隙間が生じる現象を見つけ、韓国GMに問題提起をした。
しかし韓国GMは「調査対象となったサンプルタイヤでのみ発生した問題」として、これを受け入れなかった。国内基準だけを適用するなら国土部がリコールなどの措置に乗り出すことができるが、韓米FTAの規定に従って、この事案が米国の安全基準に符合するか否かの確認を要請したわけだ。
韓米FTAの自動車関連規定は、韓国の安全基準を満たすことができない自動車であっても米国の安全基準を満たしていれば、企業当たり2万5千台まで輸入することができるようにクォーターが設定されている。国土部側は「まだ米国側から回答が来ていない」と述べた。
専門家は自動車安全関連基準は道路・交通環境や自然環境などによって各国の状況に合うように設定されるのが当然なのに、車両が運行される国家の基準ではない輸出国の安全基準が適用されるのは問題があると指摘する。大邱大学のキム・ヤンヒ教授(経済学)は「この問題は国民の安全と関連することであって、通商利害関係の物差しで計ってはならない」と話した。
このような状況であるにもかかわらず、米国では7月に商務長官が「米国の基準に符合する自動車のうち(韓国輸出が)許容されるのは2万5千台だけで、米国自動車企業の韓国市場アプローチに妨害となっている」と声を高めた。韓米FTA改訂交渉でも難航が予想される。
韓国語原文入力: 2017-11-10 14:33