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25周年を迎えた韓中経済関係…「逆転の岐路」

登録:2017-08-23 02:48 修正:2017-08-23 16:33
合成樹脂の交易史を振り返ってみると 
中国の開発ブームに乗って増加し2009年にピーク迎え 
主力産業のうち最も競争が激しかったのに 
今や中国製の供給過剰で頭を悩ませている
THAAD(高高度防衛ミサイル)配備問題で中国への自動車輸出も大きな打撃を受けている。京畿道平沢港に輸出用自動車が並んでいる//ハンギョレ新聞社

 「2000年代初めに中国経済ブームを乗って石油化学メーカーは先を争って汎用合成樹脂の生産を大々的に増やした。中小射出成形メーカーも巨大な中国市場に向けた熱気に包まれたのは同様だった。合成樹脂の原料である高密度ポリエチレン(HDPE)を石油化学会社が先を競って購入し、赤いゴムタライまで中国輸出用に作って売るほどだった」

 ある石油化学メーカー関係者の言葉だ。ポリエチレンは「パレット」と呼ばれる白いコメ状の粒で、各種プラスチック製品の原料だ。国内化学会社は、中国に高度の技術が必要ない汎用製品を輸出して急成長を遂げた。

韓国の高密度ポリエチレン(HDPE)対中国輸出の推移(資料:韓国貿易協会)//ハンギョレ新聞社

 22日、韓国貿易協会資料によると、高密度ポリエチレンの対中国輸出は1992年の16万800トンから2000年には45万3千トン、2009年には84万1千トンと、史上最大の業績を上げた。プラスチック工業協同組合連合会は「中国経済が二桁成長を続けていた2000年代半ばに中国現地でプラスチック加工の需要があまりにも多かった」と話した。

 しかし、好況はそう長くは続かなかった。輸出は2010年(70万トン)から減り始め、昨年は54万2千トンまで激減した。「中国特殊」は昔話となった。中国の合成樹脂自給率が80%台にまで高まり、今はむしろ中国産の供給過剰問題で業界が苦境に立たされている。昨年、中国輸出額が2兆9千億ウォン(約2800億円)に達するロッテケミカル側は「中国に合弁法人の1社と子会社4社があるが、中国内の生産事業は規模が小さく、現地発生の売上は微々たるもの」だと話した。

 石油化学メーカーの浮き沈みは最近、中国市場でシェアを失っているサムスン電子のギャラクシーと現代自動車などにも現れている。数年前まで中国の携帯電話市場の30%台で1位を占めたサムスン電子の携帯電話はもう5位圏からも離れ、一時期は「現代スピード」という言葉が登場するほど急成長した現代自動車も最近、販売が減っている。中国の背中に乗って、完成品はもとより、中間財も好況を享受していたが、今や共に苦戦を強いられている。これは韓中国交正常化から25年間、韓国産業の浮き沈みと当面の状況を示している。

 何よりも化学は韓国の8大主力産業の中で対中国輸出依存度が最も高い。高密度ポリエチレンは昨年、国内総生産量(212万トン)のうち半分(111万トン)を輸出したが、中国市場が50%(54万トン)を占めている。韓国全体の輸出額のうち、中国市場依存割合(25.1%・2016年)よりはるかに高い。現代経済研究院が計算した韓中輸出競合度によると、1995年には8大主力産業の中で石油化学(0.17)が最も低く、絶対優位に立っていた。ところが、2005年には0.39に上がり、2015年に0.72まで上昇し、今や主力産業の中で競争が最も激しい品目となった。中国が両国国交正常化から20年で自前の生産を増やし、原価競争力も確保して、韓国と肩を並べる構図になっている。

韓国の対中国輸出・輸入依存度の推移(資料:KOTRA)//ハンギョレ新聞社

 貿易協会の関係者は「中国が国内で部品・素材を調達する『チャイナインサイド』の波と『製造2025』戦略のような大々的な製造業の育成に乗り出したことで、加工貿易に基づいた両国間の相互補完的経済交易構造の黄金期はもう維持されにくい状況に直面した」とし、「競争が激しいうえに、保護貿易主義の台頭やTHAAD(高高度防衛ミサイル)をめぐる軋轢葛藤まで重なって、両国の経済関係は韓中国交正常化以来、最も大きな歴史的ターニングポイントに直面している」と話した。

 韓国の対中国輸出で、中間財の割合は1992年76.9%から昨年74.0%と依然として高い。国交正常化以後、両国は中間財中心の加工貿易構造を持続してきた。しかし、貿易協会は「中国経済が投資主導型から、内需とサービス中心の消費主導型へと急速に変貌しており、これによって、これから対中国輸出構造は加工貿易から一般貿易中心に再編されるだろう」との見通しを示した。

 ブルームバーグによると、1992年以降25年間、中国の年平均成長率は9.9%だ。高度成長の幅と持続期間が韓国と日本よりもさらに高く、また長い。中国の成長が続いていることで、むしろ韓国石油化学業界は苦戦を強いられている。SKイノベーションのチョン・チョルギル顧問は2015年、中国市場に当てつけて「韓国精油・化学事業は、アラスカの夏のような短い好況に続く長い不況を迎える時代に入った」と話した。合成樹脂の場合、1992年の韓国の対中国輸出品目のうち第2位(全体の中国向けの輸出額の11.1%)で、2000年にも第2位(8.6%)だったが、昨年には第4位(4.9%)に落ちた。産業通商資源部の関係者は「中国現地に進出している韓国企業が中国経済成長率で保七(成長率7%)が崩れた2015年頃から、工場施設をベトナムなどに移転する流れができた」とし、「このような中国離れの動きが昨年11月以降9カ月連続で、韓国の輸出増加を率いる動力として作用したと思われる」と話した。

チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/807853.html 韓国語原文入力:修正:2017-08-22 21:58
訳H.J(2289字)

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