登録 : 2017.07.29 02:07 修正 : 2017.07.29 06:46

文在寅大統領が今月27日、大統領府の常春斎の前で開かれた企業家懇談会で、出席者たちとビールで乾杯している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
 27・28日の2日間にわたり、大統領府で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と財閥トップらの懇談会が相次いで開かれた。新大統領が就任初期、財閥に会って政府政策に対する協力を要請するのは長年の慣行だ。大統領と財閥トップの面談は政経癒着につながった場合もあるが、財閥が韓国経済で重要な位置を占めている現実を反映したものでもある。しかし、今回の懇談会のスターは財界第1位のサムスンでも、第2位の現代自動車でもなく、中堅グループであるオットゥギだった。大統領は最近、若者たちがオットゥギを「ゴッドトゥギ」と呼ぶことを話題にあげた。「雇用や相続税(納付を通じた経営承継)、社会貢献面で、とても善い企業というイメージがゴッドトゥギという言葉を作り出したようです」。オットゥギに非正規労働者がほとんどなく、相続税をきちんと納めており、ラーメン価格を長い間据え置いている点を取り上げたのだ。

 隣にいた他の財閥会長と副会長らは笑顔を装っていたものの、心中穏やかではなかったはずだ。財閥は、経済成長の主役という表の顔と共に、雇用なき成長、税金のない便法や違法の経営承継、中小企業への圧迫、商店会の商圏侵害の主犯という裏の顔を持ち合わせている。文大統領が敢えて財閥のトップとの懇談会にオットゥギを招待した意図は明らかだ。良い所を見習えということだ。

 しかし、韓国企業が皆オットゥギにようになれば韓国社会がよくなるだろうか?「善良な企業」のオットゥギの裏面にもう一つの顔が隠されているという事実が最近明らかになっている。オットゥギグループの国内系列会社は併せて13社だ。ラーメンを生産するオットゥギを頂点に、ラーメンに入る小麦粉とスープなどを生産する数多の子会社で構成されている。系列会社間の内部取引が売上で占める割合は少なくは15%から多い時には99%に達する。問題は、トップ一家がほぼすべての系列社の株を所有していることにある。集中発注や受注などの弊害から自由ではないのも、そのためだ。系列会社には財閥たちが集中発注の手段として活用する物流・広告・システム統合(SI)会社が含まれている。財閥の後進的な所有支配構造の象徴とされる系列会社間の循環出資と相互出資は、かなり複雑に絡み合っているため、くもの巣を連想させるほどだ。オットゥギが財閥だったら、とっくに公正取引法の規制を受けただろうが、規模が小さいという理由だけで法の網や社会的監視の目が届かなかった。

 さらに深刻なのは、オットゥギだけがこのような問題を抱えているわけではないという点だ。経済改革連帯が発表した中堅グループの集中発注の実態には、ドンウォン、農心、豊山、SPC、デサン、ヨンウォン、緑十字、LIGなど、国民に親しまれた数十社の素顔が暴かれている。最近、キム・サンジョ公正取引委員長は、中小・中堅企業との懇談会で「下請法違反事業者の80%が中小企業」だと批判した。また、現代自動車の第1次協力会社の中堅企業が、第2次協力会社の中小企業に常習的に不当な納品単価引き下げなどを働いて、公取委に通報された事件も発生した。中小・中堅企業が自分より小さな企業を苦しめながら、政府に大企業による横暴の根絶を求めるのはつじつまが合わない。

 文在寅政権は公正な市場経済の確立を国政課題として提示した。また、大企業中心の経済政策から抜け出し、中小企業を新たな成長動力として育成する「革新経済」を宣言した。文大統領は大統領府での会合で「オットゥギが新政府の経済政策に合致する企業モデル」だと褒め称えた。しかし、それほど単純な見方て捉えられる問題ではない。オットゥギの良い点を見習った中小・中堅企業が多くなるほど、公正経済・革新経済に近づくかもしれないが、オットゥギの悪い点を真似た企業が多くなるほど、逆に公正経済・革新経済から離れる結果になる。オットゥギのハム・ヨンジュン会長は大統領の称賛に「身に余るお言葉だ」とし「さらに(健全な企業経営に)励む」と頭を下げた。ハム会長自身も“オットゥギの矛盾”をよくわかっていると思う。これまで韓国社会は、財閥の社会的責任だけを強調してきた。しかし、真の公正経済・革新経済を築くためには、中小・中堅企業も大手企業と共に率先すべきではなかろうか。

クァク・チョンス経済エディター産業チーム主任記者(お問い合わせ (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-07-28 20:06
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/804755.html 訳H.J(2009字)

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