アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は17日、済州(チェジュ)国際コンベンションセンターで開かれた記者会見で、北朝鮮に対する投資と関連して「設立協定文によれば私たちは加盟国に投資することになっている。北朝鮮は(支援できる)加盟国ではない。必要があるならば総会で決めることになるだろう」と明らかにした。当座は投資を検討しがたいという慎重な態度を見せた。これは文在寅(ムン・ジェイン)大統領が16日に「2017年AIIB年次総会」開幕式で明らかにした南北鉄道連結構想に対する返答だ。
この日の記者会見は、金立群総裁が16日から18日まで開かれた年次総会について説明する席として用意された。昨年1月、アジア地域のインフラ投資を支援するために中国を中心に設立されたアジアインフラ投資銀行は、今回の総会でアルゼンチン、マダガスカル、トンガが参加したことにより、加盟国が既存の77カ国から80カ国に増えた。金立群総裁は中国の一帯一路(陸と海のシルクロード)戦略でAIIBがどのような役割を担当することになるかとの質問に、「一帯一路戦略は多くの加盟国から関心を集めているが、AIIBから投資支援を受けるためには必ず特定基準を充足しなければならない。該当する事業が財務的に妥当でなければならず、環境親和的であり、地域住民が歓迎する事業でなければならない」と明らかにした。彼はまた「AIIBが石炭産業に投資してはならないという非政府機構(NGO)の意見に対してどのような立場を持っているか」と記者たちが尋ねると、「AIIBは加盟国のパリ気候変化協定履行に積極的に加わる計画だ。加盟国がパリ協定で定めた縮小目標を達成するうえで助けになることであり、こうした原則の下で今後事業を進める計画」と答えた。さらに彼は、米国と日本の加盟国参加の可能性について「私たちはいつも門を大きく開いている」として自信を示しもした。
今回の行事は本部のある中国を除く他の加盟国で開かれた最初の年次総会であり、「持続可能なインフラ開発」を主題とした。韓国のキム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官とコ・ヒョンクォン企画財政部1次官は、総会期間中に中国、イラン、ラオス、シンガポールの財務長官など10カ国の代表と会い、二者面談を持った。特に11カ月ぶりに中国の財政部長(財務長官)と面談したことについて、企画財政部は「今後両国間に持続的な対話が交わされると見られる」と伝えた。THAAD(高高度防衛ミサイル)問題で軋轢を生じた以後、中国財政部は韓国側との面談要請を一貫して断ってきた。
今回の総会では親環境インフラ、4次産業革命インフラ、民間部門の開発途上国インフラ支援などを主題にしたセミナーも開かれた。イ・チャンヨン国際通貨基金(IMF)アジア・太平洋局長は「アジアインフラ投資促進のためのパートナーシップ」セミナーで「インフラは無料という認識を変えなければならない。インフラ建設財源の好循環のためには、利用者負担率を高めたり租税負担率を高める必要がある」という“現実論”を話して注目を浴びた。