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[社説]「共生経営」に乗り出した韓国の大企業

登録:2017-05-24 06:53 修正:2017-05-24 08:13
新政府発足に合わせて企業らが新政府の主要な政策に足並みをそろえる様子を見せている=グラフィック/キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 新政権のスタートと共に、加盟店の支援と正規職への転換などの「共生経営」に乗り出したいくつかの大企業の動きが注目されている。喜ばしいことに違いない。

 新世界グループ系列のコンビニ「イーマートウィズミー」は22日、「優秀な加盟店主を選抜して本社の正社員として採用する」と表明した。正社員に選ばれた店主は店舗の経営を続けながら本社に出勤することになる。店舗運営の期間を勤続年数として認めて正社員と同じ給与と福利厚生の恩恵が提供される。本社は加盟店の月会費を50%免除するなど店舗の維持に必要な部分も支援する。採用された店主はコンビニ運営のノウハウを本社の社員と新規加盟店に提供する。加盟店と本社が共に成長できる新しいモデルという点から意味がある。新世界グループはまた京畿道の富川にデパートを出店しようとしていた計画を無期延期した。周辺の商店の反対をひとまず受け入れたのだ。

 これに先立つ21日、SKグループのSKブロードバンドは協力業者に所属して超高速インターネットの設置や修理をする社員5189人を新しい子会社に正社員として直接採用すると明らかにした。同社はこれまで業務を全国的に103個の協力業者に任せてきた。また協力業者の代表も本人が望めば管理者として採用することにしている。

SKブロードバンド協力業者の職員が電柱に上りインターネットサービス開通作業を行っている//ハンギョレ新聞社

 このような動きをめぐって新政権への「コード合わせ=顔色うかがい」ではないかという見方もあるが、決して低い評価をすべきではない。政府の政策方向が正しければこれに呼応するのは望ましいことだ。李明博(イ・ミョンパク)・朴槿恵(パク・クネ)の両政権の9年間で韓国経済は大企業中心構造がより一層固定化された。格差解消のために共生の発展と同伴成長の基盤を再び整備することは文在寅(ムン・ジェイン)政権に与えられた中心課題だ。文大統領も中小ベンチャー企業部の新設、中小企業適合業種保護特別法制定、韓国型利益共有制の協力利益配分制導入などを公約に掲げてきた。

 大企業の共生経営の動きが以前のように、見せかけの一回限りのイベントで終わってはならないだろう。協力業者を絞り取って非正規職を増やす方法では、4次産業の革命時代を開くことはできない。共生経営は初めは費用がかかるが中長期的には競争力の強化に寄与する。協力業者と労働者の士気が上がり、企業イメージが改善されて経営の実績向上につながる。共生経営の動きが財界全体に広がることを期待してみたい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017/05/23 18:01

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/795927.html 原文: 訳T.W

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