サムスン電子が来年3月に発売を予定しているプレミアムスマートフォン「ギャラクシーS8」に人工知能(AI)技術を活用して言葉でスマートフォンを実行させる「インテリジェント・インターフェース」を搭載することにしたと明らかにした。これを利用すれば、現在のようにいちいちアプリケーションを実行する必要はなく、口で「午後3時に釜山、海雲台(ヘウンデ)ホテルでミーティングがあるので、電車の切符を予約して」とか「今晩おいしいタイレストランを予約して」と言えば良くなる。
サムスン電子は4日、Viv Labsの経営陣と共にこうした計画を発表した。Viv Labsは先月サムスン電子が買収した米国の人工知能プラットホーム企業で、アップルのアイフォンに登載された対話型秘書「Siri」の核心技術開発者が作った。Viv Labsの経営陣は、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長に人工知能インターフェース革新の可能性を説明し、サムスン電子の開発チームと技術開発日程などを調整するためにこの日サムスン電子の瑞草(ソチョ)社屋を訪れた。
サムスン電子は「まだ人工知能インターフェースの名前が決まっていないため内部的にはただ「ボイスエージェンシー」と呼んでいる。ギャラクシーS8で初めて披露され、来年下半期に出すギャラクシーノート8を通じてさらに完成された姿を見せることができるだろう」と明らかにした。サムスン電子無線事業部のイ・インジョン開発1室長(副社長)は「今まではスマートフォンもユーザーが機械の言葉を習わなければ使用できなかったでしょう。機械が人の言葉を習ってユーザーの命令を理解し実行するようにするのが人工知能基盤インテリジェント・インターフェースのビジョン」と話した。
サムスン電子は「インテリジェント・インターフェースをモノのインターネット連結機能を持つ家電製品にも搭載していく計画」とし、「スマートフォンの革新を超えて、ライフスタイルの変化をリードすると見る」と強調した。イ・インジョン副社長は「例えばボイスエージェンシーがモノのインターネットのプラットホームと結びつけば、冷蔵庫の画面に向かって『昨日登山に行って撮った写真がスマートフォンにあるので、ちょっと見せて」とか、テレビのリモコンに向かって「スマートフォンにある映像をちょっと映して」ということが可能になる」と話した。Viv Labsのダグ・キトラウス最高経営者は、自然語認識技術について「日常生活で使われる言葉の脈絡を理解できる水準まで正確度を高めることに努めている」と話した。
アップルとグーグルが、それぞれアイフォンとピクセルフォンに人工知能基盤対話型秘書機能「Siri」と「グーグルアシスタント」を搭載したのに続き、サムスン電子も人工知能秘書をスマートフォンの核心機能としたことで、その正確度を高めて世界標準を掌握するための競争がさらに熾烈になる見込みだ。サムスン電子はこうした技術を既存のアプリ開発会社や家電企業に開放し、大衆化を主導し技術標準化競争で先行すると明らかにした。
業界では競争の過程でユーザーの期待値が高まり、それが障害物として作用しかねないという憂慮も出ている。まだ「ビジョン」と「目標」を提示する水準なのに、次の製品で具現されるかのように誤解され、失望につながりかねないということだ。イ・インジョン室長は「命令語の入力で、マウスを活用したアイコンやメニュークリックを経て画面タッチへと発展してきたインターフェースを、今度は人工知能技術を活用した対話型秘書方式にアップグレードさせるということだ。ギャラクシーS8で完ぺきになると期待してはならない。家電やアプリ開発会社の支援が必要で、自然語認識水準も高める必要がある。開発者サイドから見ればまだ先が長い」と強調した。