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韓国の勤労所得者の半数は年俸2000万ウォン以下…中間所得層は下方平準化

登録:2016-09-07 22:22 修正:2016-09-09 15:23
国税庁「2010~14年勤労所得税区間別資料」分析 
年間最低賃金未達の勤労所得者も全体の27.6% 
「下位所得→中間所得」 > 「中間所得→上位所得」 
中間所得層の下位平準化を指摘
勤労所得の階層別中位所得増加現況=資料:国税庁//ハンギョレ新聞社

 韓国の勤労所得者は、低所得区間に所得申告人員の大部分が含まれる非対称分布を形成していることが明らかになった。勤労所得者の4人に1人は最低賃金未満の所得(年間所得基準)を申告し、全体の半数近くは年間所得2000万ウォン(約200万円)以下であることが分かった。特に中間所得層の所得成長率が最も停滞していて下方平準化しているのではないかという指摘も出ている。

 6日、ハンギョレが国税庁「2010~2014年度帰属分勤労所得税290所得区間別資料」を分析した結果、多様な再分配政策にもかかわらず、低所得層が極めて分厚い非対称構造が維持されていることが明らかになった。2014年に勤労所得を申告した1668万7千人余のうち、年間50万ウォン(約5万円)以下の勤労所得を申告した人が20万9千人余り(1.3%)にもなった。次いで50万~100万ウォン(約10万円)以下区間に17万3千人余り、100万~150万ウォン(約15万円)以下区間に21万9千人余りが属していた。総給与額が2000万ウォン(約200万円)以下の勤労所得者が全体の半数に肉迫する750万人余り(44.9%)に達した。

 2014年の基準最低賃金(年間所得1306万ウォン=約131万円)に満たない勤労所得者も460万2千人余りに達した。勤労所得申告人員の4人に1人(27.6%)を占めている。こうした所得者は、2010年477万人、2011年459万人、2012年421万人、2013年469万人でり毎年400万人以上いる。短期アルバイト、臨時・間欠的非正社員など絶対的労働時間を確保できない「質の低い働き口」がなかなか減らないという意味だ。

常勤労働者の所得分析(単位:ウォン)=資料:国税庁//ハンギョレ新聞社

 最低賃金未満の所得者を除く勤労所得者(1208万5千人余り)は、いわゆる正社員中心の「常勤労働者」と推定される。これらの中位所得は2014年基準で3178万ウォン(約320万円)だった。2010年に2782万ウォン(約211万円)水準だった中尉所得は5年間で14.2%増えた。これに先立って韓国労働研究院は8月「従業員100人以上の企業の事務管理職」の賃金情報を分析し、社員級の中位所得が3590万ウォン、課長代理級で4794万ウォン、課長級で6146万ウォン、部長級は9018万ウォンと明らかにしたことがある。この調査に比べて、常勤労働者の実際の中位所得ははるかに劣悪な状況に置かれているわけだ。最近になって勤労所得者の所得分布は悪化していることが明らかになった。常勤労働者の中位所得と平均所得の間の格差がますます拡がっているためだ。勤労所得者などを所得順に並べた時、中央に位置する人の所得を指す中位所得と平均所得の格差が広がるということは、所得分布図で両極化現象が激しいという話だ。両者の格差は2010年の826万9000ウォンから2014年には955万1000ウォンに15.5%増えた。

 このような所得分布の変化は「中間所得層」の質的下落も同時に招いた。ハンギョレは経済協力開発機構(OECD)の中産層基準により、中位所得の50~150%を「中間所得層」と見て、中間所得層がどれくらい広く分布するかを確認した。2014年基準で中間所得層は1589万ウォン(中位所得の50%)~4767万ウォン(中位所得の150%)の区間だ。この区間に属するのは、勤労所得者のうち上位28.9~90.7%に幅広く分布していた。中間所得層は2010年(上位29.6~86.1%)と比較して分布区間が拡大したが、下位所得階層側に4.6%拡張する一方で、上位所得層側には0.7%の拡張にとどまった。中間所得層が包括する区間自体は広がったが、下位所得階層側に重心が移動したという意味だ。

中間所得層の分布変化(単位:%)=資料:国税庁//ハンギョレ新聞社

 中間所得階層、下位所得階層、上位所得階層それぞれの中位所得の変化を分析した結果も、やはり中間所得層の下方平準化を示した。中間所得階層の中位所得は2010年の2361万9000ウォンから2014年には2684万9000ウォンへ、毎年2.3%の増加にとどまったが、下位所得階層は4.8%、上位層は2.9%増えたためだ。最低賃金の引き上げなどの影響で下位所得階層の所得が急速に増え、上位所得階層も堅実な所得増加率を享受したが、中間層の所得増加率は「亀の歩み」をしたわけだ。ハンギョレとともに資料を分析したペク・ムニョン博士(経済学)は「1600万人の勤労所得者を290所得区間に分けた全数調査資料を分析して、最も広範囲で正確な所得分布を把握した」として「所得分配構造が極端な不均衡状態にあるという事実を確認した」と話した。

ノ・ヒョンウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/760261.html 韓国語原文入力:2016-09-07 08:08
訳J.S(2152字)

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