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中国のAIIB副総裁辞任圧力に韓国政府は無策

登録:2016-07-03 22:56 修正:2016-07-04 07:21
ホン・ギテク副総裁の休職事態 
政府、事前協議していながら「知らなかった」

「中国がAIIB副総裁職の辞任を圧迫」
「ホン副総裁が政府と相談」
大統領府「認知できなかった」
企画財政部「ホン副総裁が相談してきたことは事実」

アジアインフラ投資銀行(AIIB)のホン・ギテク副総裁が、産業銀行会長を務めていた21014年2月に記者懇談会で発言している=連合ニュース

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)のホン・ギテク副総裁の突然の休職の背景に対する疑問が深まるなか、KDB産業銀行会長在職当時の大宇造船海洋に対する不良管理と関連した検察捜査が進行中の状況で業務につくのは適切でないとして中国が辞任を圧迫し、ホン副総裁はこれを政府と事前協議していたことが確認された。大統領府はこれまで、休職申請過程について事前に全く知らなかったと明らかにしていたこととは差が大きく、論議が予想される。

 3日、ホン副総裁周辺と韓国政府関係者の説明を総合すると、中国は先月、大宇造船に対する不良管理および粉飾会計と関連して、ホン副総裁が韓国検察の調査を受けている状況で副総裁職を遂行するのは適切でないとし、自主的辞任や休職をしなければ解任措置をするとホン副総裁に通知した。ホン副総裁は6月初めにマスコミとのインタビューで、産業銀行が昨年10月に大宇造船に4兆2000億ウォン(当事のレートで4400億円)を支援したのは、大統領府西別館会議(非公開のマクロ経済政策協議会)でチェ・ギョンファン前副首相らの指示に従ったものだと明らかにした。ホン副総裁は韓国政府に中国の要求を伝えたし、韓国政府は当初は持ちこたえるよう指示したという。しかし、韓国政府は中国が強硬な態度を見て、ホン副総裁が先月24日に6カ月間休職申請をすることで事態を取り繕った。中央大教授出身のホン副総裁は、この過程で韓国国内の知人らにその顛末を打ち明け去就を協議したという。

 これは大統領府のアン・ジョンボム政策調整首席が今月1日、国会運営委員会でホン副総裁の辞任の背景について「私たちが認知できない間に、投資銀行総裁と議論して休職届けを出した」と明らかにしたこととは大きな差がある。企画財政部の核心関係者も「ホン副総裁が中国で(産業銀行会長時の前歴に関して)負担を感じているとし相談してきたことは事実だ。監査院監査の結果が出たが、直ちに責任を負う必要がある状況ではなく、投資銀行の理事会でその問題が議論されれば、我々(韓国側理事)が防戦するという話をした」と事前協議の事実を認めた。ただし、この関係者は「(ホン副総裁が)休職する否かについては事前に何の話もなかった」と付け加えた。

 だが、ホン副総裁と親しいある学界の重鎮は、ハンギョレとの電話インタビューで「ホン副総裁が事前の相談もせずに休職したというのは事実でないのみならず、国際機構について少しでも知っている人ならば、それがどれほど非常識なことか分かるだろう」とし「副総裁職は韓国を代表する地位であり、政府との事前協議をせずに対応したというのは、ホン副総裁に対して気がおかしいというようなものだ」と指摘した。政府が中国の辞任圧迫にまともに対応できず副総裁職の維持が不確実になったことは、中国に対する過度な低姿勢と映り、国会で事実と異なる答弁までしておきながら「知らなかった」というのは、隠さざるをえない他の事情があるのではないかという疑問を呼び起こす。韓国はアジアインフラ投資銀行に4兆4000億ウォン(約3900億円)という莫大な分担金を出した主要加盟国であり、これを基にホン副総裁が要職の最高リスク責任者(CRO)の職責を引き受けた。だが、休職申請以後にロシアなどが当該職責を狙っていて、韓国が今後も副総裁職を維持できるかは不確かな状況だ。

 ホン副総裁のある知人は「ホン副総裁は現在、家族と一緒にヨーロッパ滞在中だが、まもなく帰国する予定と聞いている。休職申請の真実について自ら立場を明らかにする機会があるのではないか」と話した。

クァク・ジョンス先任記者、キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/750689.html 韓国語原文入力:2016-07-03 19:15
訳J.S(1797字)

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