本文に移動
全体  > 経済

ロッテグループ11社、日本系列社の資料で虚偽申告 公正委が制裁着手

登録:2016-02-02 09:40 修正:2016-02-02 18:27
持ち株0.1%“皇帝経営”の実態明らかに

オーナー家と関連ない会社として公示
辛格浩総括会長は資料未提出
公正委、取引法違反制裁着手

「他の財閥グループの状況も同じ」
市民団体から商法改正の声
ロッテ、支配構造改善努力中と釈明

5大財閥グループが所有する株式//ハンギョレ新聞社

 公正取引委員会(公正委)が、ロッテグループが虚偽の日本系列会社関連資料を提出した疑惑をつかみ、制裁に着手した。参与連帯もロッテグループの辛格浩(<シン・ギョクホ>重光武雄)総括会長を公正取り引き法違反の疑いで検察への告発を検討中だ。

 公正委は1日、ロッテグループが相互出資制限企業集団の指定資料を提出しなかったり虚偽で提出し、11系列会社が株式所有現況を虚偽申告・公示するなど、公正取り引き法を違反した疑いがあり、これに対する制裁手続きを踏む予定だと明らかにした。

 法違反の疑いを受ける系列会社は、日本ロッテ系列会社が持ち株を保有するホテルロッテ、ロッテフード、ロッテケミカル、ロッテ物産など国内系列会社11社。これら企業は自社株式を保有する光潤社、ロッテホールディングス、L投資会社などを、辛総括会長などオーナー家と関連がない「その他の株主」と公正委に申告して公示してきた。だが昨年、辛総括会長の長男、辛東主(<シン・ドンジュ>重光宏之)前ロッテホールディングス副会長と、次男の辛東彬(<シン・ドンビン>重光昭夫)ロッテグループ会長との間で経営権紛争が起き、日本ロッテ系列会社の所有構造が明らかになり、公正取り引き法違反の疑いも発覚した。

 公正委は昨年の経営権紛争直後、ロッテグループから海外系列会社出資現況などの資料を受け取り分析を進めた。その結果、オーナー家が支配する海外系列会社16社(日本15社、スイス1社)が国内ロッテ系列会社に持ち株を出資していた。これに伴い、日本ロッテ系列会社が国内系列会社に出資した持ち株を加え、ロッテグループの内部持ち株率は62.4%(昨年4月末基準)から85.6%(昨年10月末基準)に一気に上がった。キム・ジョンギ公正委企業集団課長は「ロッテが日本の海外系列会社をその他の株主で申告したことに対する故意の可否を判断し、法的制裁手続きを踏むことになる」と話した。現行公正取り引き法は、大企業集団の指定と関連して虚偽資料の提出や申告をした場合、罰金1億ウォン(約1千万円)以下とグループのオーナーを検察に告発できる。

 公正委はロッテグループのオーナー家の持ち株率は2.4%で、ロッテを除く10大財閥のオーナー家の平均持ち株率の2.7%より低く、循環出資構造は67社で国内大企業集団全体の循環出資(94社)の71.3%を占めると明らかにした。しかし他の財閥も、少ない持ち株でグループを支配する「所有と支配の乖離」に特に差はない。サムスングループはイ・ゴンヒ・サムスン電子会長(0.7%)をはじめとするオーナー家の持ち株率が1.3%で、SKグループはチェ・テウォン会長(0.03%)をはじめとするオーナー家の持ち株率が0.4%でロッテより少ない。キム・サンジョ経済改革連帯所長(漢城大教授)は「ロッテグループの支配構造が後進的なのは循環出資の多さではなく、今まで外部株主の声を聞く構造がなかったことによる。少ない持ち株で経営権を行使するのはロッテだけでなく他のグループも同じで、これを解決するためには、商法改正と国民年金議決権強化などで市場参加者が自分の主張をできるようにしなければならない」と話した。

 参与連帯も辛総括会長の告発を考慮している。公正取り引き法は新規循環出資や不公正取り引き行為などは公正委院長をはじめとして調達庁長、監査院長、中小企業庁長だけが告発できるが、ロッテグループの虚偽資料提出といった違反事例は市民団体でも告発が可能だ。

 ロッテグループはこの日、説明資料を出し、支配構造透明化のために努力していると強調した。ロッテグループは「昨年8月に支配構造改善のためのTFチームを発足させ、ホテルロッテ上場、循環出資解消、持ち株会社転換、経営透明性向上など重点推進課題を実行中だ。ホテルロッテは上半期に上場する計画であり、ロッテ情報通信やコリアセブンなど主な系列会社の上場も計画している」と明らかにした。さらに「今後も循環出資の完全解消と持ち株会社転換を中長期的に推進し、経営透明性を強化していく方針」と付け加えた。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-01 22:09

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/728851.html 訳Y.B

関連記事