本文に移動
全体  > 経済

混迷深めるポスコ、第3四半期も赤字

登録:2015-10-20 23:57 修正:2015-10-21 06:28
ポスコ=資料写真 //ハンギョレ新聞社

 “鋼鉄軍団”ポスコグループが混迷を深めている。ポスコが昨年第4四半期(10~12月)に続き、今年第3四半期(7~9月)に再び赤字に陥った。 系列会社の実績悪化と営業外損失が累積した結果だ。 鉄鋼輸出市場で韓中日3国の競争が激化し、元政界実力者が関わった不正疑惑による検察捜査などが重なって創業以来最大の試練を迎えている。

昨年第4四半期に続き
今年第3四半期も純損失700億円
鉄鋼需要の減少・営業外損失など“泣き面に蜂”
チョン・ジュンヤン前会長時期に無理な拡張…
売上下落傾向、自助努力での赤字克服は困難か

 20日、ポスコのイ・ヨンフン財務投資本部長(副社長)は、第3四半期実績の発表で「(連結財務諸表基準で)今年第3四半期は6580億ウォン(約700億円)の大規模損失が発生した。 2015年度の目標である2兆ウォン(約2100億円)の当期純利益達成どころか、為替レートなど種々の要因により3千億ウォン(約310億円)程度の赤字も予想される」と明らかにした。 連結基準の営業利益は6520億ウォン(約680億円)で昨年同期に比べ25.8%急減した。 グループ全体でなくポスコ単体で見れば、営業利益は6380億ウォン(約670億円)で昨年同期と同等の水準だ。

 チョン・ジュンヤン前会長の在任時期である2009年から5年間にわたって進行された無理な系列会社拡張が、現在ポスコが体験している試練の出発点だ。 “高値吸収”論議をかもしたポスコプレンテック(旧ソンジンジオテック)は今分期でも100億ウォンの損失を計上した。 今年ポスコグループ全体の営業利益はポスコと大宇インターナショナルのミャンマーガス田営業利益の合計額と同等の水準と評価される。 ポスコは現在韓国国内系列会社の半分、韓国外系列会社の30%に対して構造調整を推進している。同社のチョン・ギソプ財務委員(常務)は「2017年末に予定された構造調整の完了時期を6カ月~1年操り上げる」としつつも「韓国国内の系列会社のうち構造調整が完結したところはまだない」と明らかにした。

 構造調整の対象でないインドネシアのクラカタウポスコ(KP)や中国長江ステンレス製鉄所などの国外法人も赤字の累積が続いている。 匿名を要請した鉄鋼メーカーの役員は「ポスコがインドネシアなど韓国国外の事業で困難に陥っていると理解している」として「鉄鋼業界の状況が良くなく、このような関連企業の売却も難しい状況」と伝えた。

 営業利益が前期並みの黒字である一方で当期純利益が赤字に転換されたのは、営業外の投資や収益活動で損害が発生したためだ。2012年に始まった新日鉄住金(旧新日本製鉄)との方向性電磁鋼板製造技術に関連した営業秘密および特許侵害に対する法廷攻防が悪材として作用した。 ポスコは最近、新日鉄住金に2990億ウォン(約300億円)の合意金を支払うことにした。 為替レート変動による新興市場の外貨資産評価損も実績に反映されたと会社側は説明した。

 ポスコは費用削減と高付加価値鉄鋼材の生産拡大など、自助努力に乗り出しているが実績悪化の寒波から抜け出すことは容易ではないと見られる。 また別の鉄鋼メーカー役員は「世界的に自動車・船舶など製造業が難しくなり鉄鋼需要は減っている反面、中国産鉄鋼材の供給過剰のために競争は熾烈になっている。 わずか5年前まで“ブルーオーシャン”だった鉄鋼産業が急速に“レッド オーシャン”に変わった」と診断した。

 一方、ポスコは来年から韓国国内の大企業としては初の“分期配当制”を導入する予定だと明らかにした。 今までは株主に対して中間配当と期末配当を行っていたが、今後は1年に4回の配当金を支払うということだ。 また、グループ役員289人は毎月報酬の10%以上を出してグループ内7社の上場企業のうち1社の株式を買うことにした。大幅に下がった株価を回復させ、一定“経営安定化”されたことを市場に示すための措置と解釈される。

 今年初めに27~28万ウォン台だったポスコの株価は、この日17万9500ウォンで取引を終えた。

パク・ヒョンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/713750.html 韓国語原文入力:2015-10-20 22:14
訳J.S(1855字)

関連記事