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実績不振が続くサムスン電子の営業利益が好転

登録:2015-01-08 22:06 修正:2015-01-09 11:29
昨年第4四半期暫定実績が市場予想を上回る
半導体が貢献…携帯電話も改善
実績が好転していくかは今年第1~2四半期を見守る必要
8日午後、ソウル瑞草洞のサムスン電子ディライト(d'light)広報館を訪れた外国人が半導体関連動画を見ている。連合ニュース

 サムスン電子が昨年の第4四半期(9月~12月)に営業利益5兆ウォン台(1ウォンは約0.11円)を回復し、再び実績を好転させることに成功した。しかしサムスン電子の実績が昨年3四半期を底として今後持続的に上昇カーブに乗るかはまだ不透明で、今年1~2四半期の実績を注視する必要がありそうだ。

サムスン電子の年間経営実績推移。 //ハンギョレ新聞社

 サムスン電子は8日、昨年第4四半期の売上が52兆ウォン、営業利益が5兆2000億ウォンと暫定集計値を公示した。 実績が相対的に低調だった昨年第3四半期(営業利益4兆600億ウォン)と比較すると、営業利益が28.1%増えた。 証券街が予想した4兆8000億ウォンも上回った。売上は第3四半期より9.6%増えた。

 昨年通期では売上が205兆4800億ウォン、営業利益が24兆9400億ウォンと暫定集計された。 これは2013年に比べてそれぞれ10.2%、32.2%減った数値だ。

 第4四半期での実績好転の要因としては半導体が携帯電話に代わって貢献を続けた。 メモリー半導体の販売が需要増加と価格安定に力づけられ好調を示した。 非メモリー半導体は第3四半期に続き第4四半期にも赤字だったが、その幅は縮小した。 高価格携帯電話の販売好調に力づけられて有機発光ダイオード(OLED)の実績も改善された。

 第3四半期に最悪の実績を出した携帯電話も改善が見られた。 昨年9月に発売されたギャラクシー・ノート4の販売が好調で、昨年の2、3四半期の実績悪化の主要因だった在庫調整のためのマーケティング費支出も減少した。 小米科技(シャオミ)など中国企業の攻勢に影響を受けて販売量は減った。 HMC投資証券のノ・グンチャン リサーチセンター長は「市場予想値より実績がよく出てきたのは、メモリー半導体の好調、システム半導体の赤字縮小、高価格携帯電話の販売増加、在庫調整のためのマーケティング費縮小、費用削減、ウォンレート上昇効果(ドルに対するウォン安)などが複合的に作用したため」と分析した。

 市場はサムスン電子の分期営業利益5兆ウォン台回復を歓迎しているが、専門家たちは数字自体より昨年第3四半期を底として、今後実績が持続的に上がるかどうかに注目している。 昨年も第1四半期に一時的に改善されたが、第2、3四半期に連続で下降した経緯がある。 半導体は今年も昨年に続き好調という見通しが多い。 昨年苦戦した非メモリー半導体とOLED部門の実績も改善される兆しが見られる。

 カギは携帯電話でどの程度の反撃に成功するかだ。サムスン電子は、持続可能な成長のためには携帯電話中心のIM(ITモバイル)部門の営業利益率が12%はなければならないと見ているが、昨年第3四半期にはアップルと中国メーカーに押されて7.1%に急落した。 第4四半期の営業利益率は小幅改善されたものの、依然として2桁回復には距離があるという。IM投資証券のイ・ミンヒ研究員は「サムスン電子が昨年末に新しく入れ替えた中低価格携帯電話の本格的な販売実績が出てきて、2月末以後に早期発売予定の高価格携帯電話ギャラクシーS6に対する市場の反応が出てくる第1~2四半期が分岐点になるだろう」と展望した。

 サムスン電子も伝統的オフシーズンである第1四半期の実績が昨年の第4四半期に続き上昇を続けるかが今年全体の事業実績を左右すると見ており総力戦態勢だ。 サムスン電子関係者は「ギャラクシーS6に対する内部評価が良く、2012年のS3のような大ヒットを期待している」と話した。

 市場ではサムスンが携帯電話で常勝疾走した時期はすでに終わったという分析も出ている。 あるアナリストは「携帯電話はすでに成熟段階に入り込み、競争が激化してサムスン電子がかつてのように20%に肉迫する営業利益率を出すことは期待できない、どこまで防御できるかが関心事だ。中長期的に携帯電話に代わる新たな成長動力を確保することがカギ」と話した。

クァク・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/672805.html 韓国語原文入力:2015/01/08 20:11
訳J.S(1847字)

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