「解雇者たちが復職できるなら無料でも新車の広告に出演する」という歌手イ・ヒョリさんの提案に双龍(サンヨン)自動車が「すでに広告撮影が終わっているため困難」という反応を示した。 イ氏の発言以後に出てきた双龍自動車側の最初の公式反応だ。
双龍自動車の説明は24日『韓国日報』が「双龍車、イ・ヒョリ モデル提案拒絶なぜ?」というタイトルの記事を報道した後に出てきた。韓国日報はこの日、双龍自動車がイ氏の提案を断ったと報道して「新車チボリの広告撮影は終わっており都市型CUV(クロスオーバーユーティリティ ビークル)というチボリのコンセプトとイ氏のイメージがマッチしない」という会社関係者の話を伝えた。
双龍自動車があたかもイ氏の提案を頑強に拒否したかのように報道され、双龍自動車を非難する反応が後に続いた。 「車が売れることより解雇者の復職を阻む方がさらに重要な企業」という批判だった。
だが、双龍自動車広報チームはこの日『ハンギョレ』との通話で「イ氏から公式に“モデルをする”という提案がきたわけでもなく、ツイッターで話が出てきたに過ぎないので、私たちが断ったという形で言うのは適当でない」と明らかにした。 イ氏のツイッター発言が公式的提案ではないので、これを受け入れるとか断るとかを明らかにすることは適切でないという立場だ。 また「イ氏がツイッターを書いた18日以前に、すでにチボリの広告撮影は終わっている。発売予定日が来年1月13日なので、広告モデルを変更することもできない状況」と付け加えた。
イ・ヒョリさんは18日、自身のツイッターに「双龍自動車が発売予定の新車チボリの広告モデルとして双龍自動車解雇労働者を使うのはどうか」という提案が書かれた『メディア オヌル(今日)』の記事を添付した。 さらに「双龍から来年発売される新車チボリが多く売れて一緒に仕事をした職員を解雇せざるをえなかった会社が安定して、解雇された方も再び復職するならば本当にうれしい。そうなるならチボリの前でビキニを着て踊りたい」と書いた。
その後、イ氏のツイッターでの友だちが「チボリの広告出演はいかがですか?」と尋ねると、「使ってくれるなら無料でもいい」と応じ、イ氏の文が広く知られた。イ氏は19日、ハンギョレとのインタビューで「昨年12月だったか双龍自動車の社長が『年間12万台以上売れれば復職を考えてみる』とインタビューで答えたのを見て、それじゃあ私が広告モデルをやってたくさん売れたらうれしいと思い始めた」として「解雇者たちが本当に復職することを望んでいるのか、あるいは会社が自分たちの誤りを認めて謝ることを望んでいるのか分からなくて、文を載せる前に迷った。 解雇者の方たちが大丈夫だと言ったので文を載せることにした」と明らかにした。双龍自動車側はこの日「イ氏のインタビュー内容のうち、イ・ユイル社長が復職対象として話した対象は、解雇者たちではなく希望退職者たちだった」と説明した。続けて「希望退職者の復職は今まで話してきた通り、今後の経営状況などを見ながら肯定的な方向で検討し続ける」と明らかにした。 双龍自動車は条件が許す限り希望退職者たちの復職問題を解決するというのが原則的な立場だが、人件費負担のせいで復職の規模などに対する立場はまだ決定できないとした。
煙突座り込み中の金属労組双龍車支部のイ・チャングン政策企画室長はこれに対して「会社側は“希望退職者”と“解雇者”が別の人というニュアンスで話しているが、解雇者は当然に希望退職者に含まれるので、会社がそんなに話をこねくり回しても解雇者が復職しなければならないと本質は変わらない」と話した。 イ室長は「勤労基準法上、解雇事業場で3年以内に新規採用をすすならば解雇者を優先採用しなければならない」として「双龍自動車解雇から6年が過ぎたが、会社側が何度も明らかにした通り法を尊重しなければならないという趣旨ならば、当然に優先順位は解雇者にある」と付け加えた。