店舗借家人「無念な事情、伝わりましたか」
「衰退しつつあった商店街を復活させたと思ったら…」
強制退去と賃貸料爆弾と哀訴
賃貸借期間10年保障など
法改正案 今国会での通過を要求
ソウル鍾路（チョンノ）のある食堂で、1年8か月間にわたり従業員として働いたパク氏は2011年5月に勤務していた店を買い取った。 建物オーナーから10年以上は商売できるという口約束を得て店舗の買い取りを契約した。権利金1億5000万ウォン(１ウォンは約0.1円)に、以前の賃借人が滞納していた賃借料3000万ウォンも肩代わりした。 メニューを変えて「釜飯とサムギョプサル」の食堂を開店するのに2億6000万ウォンかかった。 路地の奥にあるひっそりとした商店街で、場所的には不利だったが懸命に働いたおかげで商売は軌道に乗っていた。 問題は建物オーナーが変わったことから生じた。 2013年に建物を引き継いだ新オーナーは今年1月、再建築を理由に退去を要求した。 「以前のオーナーの言葉を信じていたのに悔しい」と言うパク氏は「借入金1億6000万ウォンの元金も返せなかった」として悔しがった。
ソウル瑞草（ソチョ）区 江南大路（カンナムデロ）の裏道商店街にある建物で、昨年5月から日本式居酒屋を営んでいるユン氏(36)は、今年末にここから去ることになった。 建物オーナーが建物を建て直すと言って、昨年6月にユン氏を含め店舗借家人10人に退去を通知したためだ。 名目上、1年間の賃貸借契約を締結してから二か月半後のことだった。 建物オーナーが起こした明け渡し訴訟の過程で契約の五日後に再建築計画が立てられたことがわかりユン氏はあきれたが、結局「年末までに出て行くから強制執行だけはやめてほしい」と“投降”せざるを得なかった。 以前の借家人に払った4億ウォンの権利金と内装工事にかかった1億5000万ウォンはすべて無駄になった。
「不安無しに商いをしたい商人の会」(全国商店借家人協会)、民主社会のための弁護士会、経済民主化実現全国ネットワークなどの共同主催で1日、ソウル通仁（トンイン）洞の参与連帯で商店借家人被害事例発表会が開かれた。 ‘抜け穴だらけの商店賃貸借保護法のために被害をこうむっている商店借家人6人が、直接自身の被害事例を紹介した。 現行法は再開発や再建築などの理由で賃貸人が退去を要求すれば、賃借人は設備投資金や営業権確保のための投資費用などを回収できずに追い出されることになる。 賃貸期間5年が過ぎれば強制退去に遭ったり賃貸料爆弾に当てられもする。
ソウル弘大（ホンデ）前で「白炭タッカルビ」を営むチェ・ソンジェ社長は、賃貸期間の5年が経過すると店を空けて出て行けと要求された。 チェ氏は「滅びつつあった商店街を復活させたいと思った矢先に建物オーナーが権利金を強奪しようとした」と話した。 チェ氏は建物を出て行くことだけは食い止めようと努力した。 大腸癌を罹った息子の病院代の話もして情にも訴え、賃貸料の値上げに応じるという提案もしたが全て拒絶された。 チェ氏は「無念な商店借家人のために大韓民国が震えている」として「法がはやく改正されて、これ以上被害者が出ないようにして欲しい」と話した。
釜山のコーヒー店アンジェリナスの借家人は、契約から2年後の再契約時点で賃貸料爆弾に当たった。 建物オーナーは月賃借料が470万ウォンのところ800万ウォンを要求した。 2年後の再契約要件として賃貸期間満了時には店を引き払う和解調書を強要しもした。
最近、政府が明らかにした権利金法制化の必要性を盛り込んだ商店賃貸借保護法改正案をセヌリ党キム・ジンテ議員が発議した。 しかし、討論参席者は優先弁済、賃貸借期間の延長など商店借家人の立場としては不十分だと指摘した。 参与連帯は、政府案では保護されない問題を解決するために、11月に新政治民主連合ソ・ヨンギョ議員と共に改正案を共同発議した。 適用範囲および優先弁済範囲制限の廃止、法定契約更新要求権の行使期間(賃貸借期間)10年保障、退去料補償制の導入を骨格とした法案だ。 参与連帯は「賃借商人の営業価値を保障する法改正が絶対に必要な状況」とし「すでに発議された改正案を越えて賃借商人に対する実質的保護方案が今国会で必ず用意されるよう国会と与野党政界に要求する」と話した。
訳J.S(2062字)
