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三星(サムスン)電子の株価が落ち込めば、三星生命の顧客に打撃

登録:2014-04-07 00:23 修正:2014-04-07 06:33
株式投資の95%が系列会社
株価の行方によって保険金が危うくなる

 保険会社の資産は顧客、すなわち保険契約者が払った保険料だ。保険会社はこの資産を株式、債権、不動産などに運用して収益を出した後に顧客に保険金を支払い、一定部分は自分たちの収益として持っていく。 保険業法が保険会社の資産運用比率を規制する最も根本的な理由は、保険契約者に安定的に保険金を支払えるようにするためだ。 すなわち危険な投資を日常的に行ったり顧客の金を系列会社のための‘私金庫’として利用する、顧客に支払わなければならない保険金を支払えない事態が起きることを未然に防ごうとの趣旨だ。

 だが、三星生命の資産運用ポートフォリオの特徴を見れば、深刻に三星(サムスン)系列会社に偏重している。 金融監督院の資料を見れば、昨年末現在で三星生命は総資産の10.5%(約20兆ウォン・市場価格基準)を株式に投資しており、この内19兆160億ウォン分(94.8%)が三星電子、三星カード、三星火災、三星物産など三星系列会社の株式だ。

 証券会社や資産運用会社とは違い、保守的に資産を運用する保険業界の特性を念頭に置いて見れば、三星生命のこのような資産運用構成は非常に異例的だ。 実際、24社の生命保険会社の中で三星生命以外には総資産に占める株式の比重が5%を越える所は一社もない。 三星生命に次いで株式投資比重が高い会社であるアリアンツ生命の場合、資産に占める株式の比重はわずか3.04%で、資産基準で業界2・3位であるハンファ生命と教保(キョボ)生命の株式比重は0.3%と1.5%に過ぎない。

 これは三星生命の資産運用目的が、顧客や三星生命自身の収益増大ではなく‘三星グループの支配構造支え’にあることを示す内容だ。 保険業界のある役員は「三星生命の資産運用目的が他の保険会社とは違うのではないか」と話した。

 特に三星生命が保有する系列会社株式の中で三星電子の比重(76.6%)が圧倒的な点は、資産運用のリスクを一層高める要因だ。 金融監督院の核心関係者は「これまでは三星電子の株価が着実に上がっていたので大きな混乱は起きなかったが、株価が急落することになれば保険契約者が適時に保険金を受け取れない危険が大きくなることになる」と話した。

 三星生命がこのように三星電子の比重を過度に高められた背景には、保険業監督規定上‘資産運用比率への取得原価基準適用’という古い規制が存在する。 この規制のせいで三星生命の顧客は三星の支配構造維持に利用されているだけでなく、三星電子の株価下落にともなう危険も抱え込んでいる。

キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/631522.html 韓国語原文入力:2014/04/06 21:54
訳J.S(1241字)

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