ウォン-ドル為替レート3.2ウォン急騰
KOSPI一時1900ライン崩壊‘不安感’
"事態余波は長く続くだろうが…
韓国は体力が強く調整に留まるだろう" 優勢
新興国金融危機憂慮で27日、国内金融市場が動揺した。先週金曜日のアルゼンチン ペソ貨の急落をはじめとし、主要新興国の貨幣価値が大幅に下落し、国内金融市場も危機感に包まれた。
27日ソウル外国為替市場でウォン-ドル為替レートは前取引日である24日より3.2ウォン上がった(韓国ウォンの価値下落)１ドル1083.6ウォンで取引を終えた。 取引時間内に一時、前取引日より7.3ウォン上がった1087.7ウォンまで急騰しもしたが、(旧)正月を控えて輸出業者がNEGO(ドル売り)物量を出したことで上昇幅は多少縮まった。 為替レートが急騰した理由は、アルゼンチンの外国為替保有額が7年ぶりに最低値の293億ドルまで減少したことによりアルゼンチンが去る2001年以来、再びデフォルト(債務不履行)を宣言するという憂慮が出てきたためだ。 アルゼンチンの危機が隣接国のブラジルを経て、また別の新興国家であるトルコやタイなどまで伝染すれば、韓国にも影響が及ぶ恐れがあるためだ。 金融部門のリスクは伝染性が強い。
KOSPIも今年に入って初めて取引時間内に一時1900ラインまで急落した。この日KOSPIは前取引日より1.79%下落した1905.91で始まり、取引時間内に一時1899.76まで下がった。 KOSPI1900ラインが崩れたのは、昨年8月28日(1884.52)以来5ヶ月ぶりだ。 KOSPIは午後に入って下落傾向が多少緩やかになり、前取引日より30.22ポイント1.56%下がった1910.34で場を終えた。 外国人が5146億ウォンを純売渡し下落を主導し、その反面で機関投資家は5189億ウォンを純買越した。
余波がどこまで広がるかはまだ未知数だ。 世界金融市場は新興国金融危機と米国の量的緩和縮小、中国の景気鈍化憂慮に神経を尖らせている。 特に28～29日(現地時間)に開かれる米国連邦公開市場委員会(FOMC)のテーパリング(量的緩和縮小)規模と強度にしたがって今後さらに波打つ余地がある。 市場では連邦公開市場委員会で米国政府が量的緩和規模を100億ドルさらに縮小すると見ているが、米国政府が市場予想値より量的緩和縮小規模を増やすなどの措置を取るならば影響を受ける可能性が高い。 IM投資証券のイ・ジョンウ リサーチセンター長は「株価が一気に急激に悪くなることはないが、今回の事態の余波が長引くだろう」としつつ「我が国の経済基礎体力は良いが、外国為替危機以後の為替レートはこれとは別個に、国際経済危機が来れば急変する傾向がある」と話した。
このような憂慮の中でも当分はボックス圏市場の動きが続くという意見が優勢だ。 新興国の経済規模や影響力がヨーロッパ財政危機の時とは比較にならないほど少なく、外貨準備高と経常収支黒字など韓国経済の基礎体力も相対的に強い方であるためだ。 実際、この日午後に入ってKOSPIは弱含み相場で一息ついた。 日本の日経指数(1.56%),香港ハンセン指数(1.89%)等と比較しても、下落傾向が目立つことはなかった。 国家信用度を示す信用不渡りスワップ(CDS)プレミアムの上昇幅もやはり、中国などに比べて低い水準だ。 多数の専門家たちは「不安心理が広がっているのは事実だが、一部の調整傾向に終わるものと見られる。 株価もやはりボックス圏に留まるだろう」という展望を出している理由だ。
政府もまだ予測可能な水準という反応だ。 この日、ヒョン・オソク副総理兼企画財政部長官は幹部会議で「リスク管理に万全を期しなさい」と指示しただけで、新興国危機と関連した特別な指示事項はなかったと伝えられた。 チュ・ギョンホ企画財政部第1次官は「今日の市場の動きは米国ダウジョーンズ指数急落の直接影響が最も大きかったと見られ、外国人投資家の売り越し傾向も市場を揺さぶる程ではなかったと判断される」として「当分はボックス圏を形成すると見られるが、連鎖作用が起きるか否かについてはモニタリング(点検)を強化する計画」と話した。
ノ・ヒョンウン、チョ・キウォン記者 goloke＠hani.co.kr
訳J.S(2053字)
