輸出538億ドル…前年より2.7%↑
貿易規模 1.8%↓…広報に比べて僅か
米国とのFTAをしていない日本は貿易増え
自動車業界 恩恵大きく‘大笑い’
公共政策、米国に相次ぎ制動を受け
主権毀損憂慮 再協議が一層 重要に
来る15日で韓-米自由貿易協定(FTA)発効１周年をむかえる。 交渉段階から韓国社会に多くの論議を残した韓-米自由貿易協定は、発効以後にも依然として熱い論争の種だ。 自由貿易協定の経済的な効果はもちろん、投資家-国家訴訟制(ISD)再協議、公共政策毀損憂慮、牛肉市場開放圧力など依然として解決を要する課題が山積している。
■黒字は増えたが
今までに公開された成績表では韓国が相対的に利益を享受した。 我が国は昨年3月から今年1月まで対米輸出538億ドルを記録した。 前年同期(524億ドル)に比べて2.7%増えた。 また、輸入は391億ドルで7.4%減り貿易収支は45億ドルの黒字(44.1%増加)を記録した。
だが、当初に政府が韓-米自由貿易協定が発効されれば成し遂げられるとして‘経済領土の拡張’と大々的に広報したことに比べれば期待に及ばない成績だ。 昨年3月の自由貿易協定締結で、我が国は7218品目(85.6%),米国は6175品目(87.6%)の関税が無くなったが、むしろ貿易規模全体は946億ドルから929億ドルに1.8%減った。 さらに米国と自由貿易協定を結んでいない日本と比較すると、成績はより一層みすぼらしい。 日本は同じ期間に対米輸出1274億ドルを記録し、貿易収支579億ドルを達成した。 貿易規模もやはり1970億ドルで、5.6%の増加率を示した。
自由貿易協定の代表的な恩恵業種は自動車だ。 現代車は昨年3～12月に35万3405台を、起亜車は31万2376台を輸出した。 それぞれ11%、11.4%ずつ増えた。 同じ期間の対米輸出増加率の５倍に近い。 自動車部品もやはり大きな利益を得た。
■相次ぐ主権毀損 憂慮
国土海洋部は昨年8月‘自動車安全基準施行細則’一部改正案を公告した。 米国・ヨーロッパ連合と自由貿易協定を結んだ後に両者を除く他国車両にはわが国の安全基準を適用するためだ。
国土部は公告で 「輸入車は外国基準さえ充足すればかまわず、国産車両はわが国の基準を全て満足しなければならないという不公平な状況が悪化しかねない」と、改正案の背景を説明した。 だが、米国側の反発のために、この改正案は未だ処理されていない。 政府関係者は「米国政府と自動車企業等が1995年了解覚書(一方の国の基準を充足すれば相手国基準も充足したものと見なす)も有効だとして反発した。 米国企業等が米国の他に他国でも自動車を生産しているためだ。 わが方としては‘主権侵害’として反発もあるが、両国の共同委員会で再議論することに決めた」と話した。
公共政策が米国の反発で足かせをかけられたことは今回だけではない。 環境部が2008年から推進した‘低炭素車協力金制度’も米国政府と自動車業者の反発で施行時期を2013年から2015年に先送りした。 郵便局保険の限度額拡大、掘削機の新規登録を制限する建設機械需給調節政策などは自由貿易協定発効以前にブレーキがかかった。 全て韓-米自由貿易協定違反などを理由として掲げた。
最近企画財政部がパク・ジュソン議員室に提出した‘韓-米自由貿易協定履行法令目録’を見れば、韓-米自由貿易協定のせいで23件の法律をはじめ施行令(16件),施行規則(18件),告示・例規(9件)等が改正された。 今後、開放範囲が増えるに従い法律改正はさらに増える展望だ。 加えて米国系私募ファンドであるローンスターが提起した投資家-国家訴訟制(ISD)もやはり司法主権の危機を見せるという憂慮を育てている。
ソン・キホ弁護士は「去る1年間、わが国の制度が米国企業の利益に合うように変更されたり、我が国社会に合う公共政策が実現できない現実を見せた。 韓-米自由貿易協定の再協議の必要性を現実に見せたのだ」と話した。 だが、反論もある。 チェ・ウォンムク梨花(イファ)女子大教授(法学)は「北核など他の政治的理由で米国との葛藤を敬遠する側面があるが、制度をよく作っておきながらまともに活用しないことが問題であって、自由貿易協定の問題だとは言えない」と話した。 また 「公共政策もやはり問題があれば両国家間の交渉を通じて補完していけば良い」と付け加えた。
イ・ジョンフン記者 ljh9242＠hani.co.kr
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牛肉市場追加開放など米通商圧力はより大きくなる公算
オバマ "2014年までに輸出2倍" 貿易赤字など交渉要求の動き
オバマ米国行政府の韓国に対する通商圧力が強まる展望だ。 オバマ大統領が目標として提示した‘2014年までに輸出2倍、200万ヶ働き口創出’等を達成するためのものという分析だ。
米国通商専門紙<インサイド USトレード>は最近 "オバマ行政府が韓国・コロンビア・パナマなどに２者協議や他の手段を動員して農産物市場の開放と衛生水準、知的財産権などに関する義務を強化するよう圧迫するだろう" と明らかにした。 このような展望はすでに現実化されている。
米国貿易代表部(USTR)は最近、韓-米自由貿易協定(FTA)が米国の中小企業貿易に及ぼした影響を分析する報告書を作成して5月1日まで提出するよう国際貿易委員会(ITC)に指示した。 貿易代表部はこの報告書を根拠に両国が設けた実務グループ会議で韓国に対する貿易赤字改善と中小企業の不利益に対する交渉を要求するものと見られる。 貿易協会チョ・ソンデ研究委員は「米国が相当な貿易赤字を被っており韓国輸出品の原産地証明検証などの圧力と共に開放圧力が加えられるものと見られる」と話した。
更に牛肉市場も圧力に苦しめられる展望だ。 チェ・ギョンニム外交通商部自由貿易協定交渉代表は去る2月「最近米国、ワシントンでウェンディ・カトラー米国貿易代表部代表補に会って対話する中で、牛肉追加開放に関する話も交わした」と明らかにした。
もし米国が牛肉交渉を要請すれば、わが国は義務的にこれに応じなければならない。 2008年に米国と結んだ韓-米輸入衛生条件協議条項(第25条)は‘両国の一方が協議を要請すれば7日以内に相手方は応じなければならない’と規定されている。 すでに日本は牛肉輸入条件を緩和した。 去る2月1日、日本は米国産牛肉輸入条件を20ヶ月未満から30ヶ月未満に輸入幅を増やした。
イ・ジョンフン記者
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ISD再協議・開城(ケソン)工業団地製品 原産地認定‘忘却’
依然として解けない課題
ISD, 所管部処が変わって‘足踏み’
専門職ビザクォーター確保 五里霧中
輸出企業 関税恩恵 物量も少ない
2011年李明博前大統領が約束した投資家-国家訴訟制(ISD)再協議をはじめ、開城工業団地製品の原産地問題、専門職ビザ クォーターなどは韓-米自由貿易協定(FTA)が発効されて1年が過ぎても依然として解けない宿題として残っている。 新政府で担当部署が外交通商部から産業通商資源部に移り関連業務が足踏みしている。
まず投資家-国家訴訟制再協議は、昨年3月わが政府の方案を用意するために作ったタスクフォース(TF)チームが12月に解散された状況だ。 タスクフォースチームは政府に案を提出したが、政府はまだ明確な立場を出せずにいる。
ユン・サンジク産業通商資源部長官は最近国会で「ひとまず再協商になるか、再協議になるのかという形式については事前に十分な共感が形成される部分がある。 準備ができ次第推進する」と答えた。
開城工業団地など域外加工地域の生産製品に対する原産地認定問題も残っている。 付属書には△韓半島非核化進展△域外加工地域指定が南北関係に及ぼす影響△域外加工地域内の一般環境基準、勤労基準・慣行、賃金、経営・管理慣行などに関する基準を設定し、それらの充足有無により原産地として認められるようになっている。 だが、北韓が核実験を強行した状況で今年開かれる‘韓半島域外加工地域委員会’でこれを扱うことは一層難しくなった。
この他に専門職ビザ クォーター、低い自由貿易協定活用などの問題も残っている。 政府は韓-米自由貿易協定の成果の一つとして専門職ビザ クォーター確保を前面に出した。 米国は自由貿易協定を締結した国々に専門職ビザクォーターを贈り物として与えた。 オーストラリアは米国と自由貿易協定を締結した後、1万ヶ余りのクォーターを配分された。 だが、我が国は依然として五里霧中という状況だ。
輸出企業の自由貿易協定活用率もやはり昨年年末68.9%で、依然として相当数の企業らが自由貿易協定の恩恵を受けられずにいる。 活用率とは、関税恩恵を受けられる輸出入物量に対する実際に関税恩恵を適用された物量の比重を意味する。 中小企業庁・関税庁などで自由貿易協定の恩恵を提供するために関連部署を新設したがまだ不十分だ。
大邱(テグ)のある輸出仲介業者は「原産地証明が難しいために、これができる業者に物量を注文せざるを得ず、中小企業には輸出注文が行かない」と話した。
イ・ジョンフン記者
訳J.S(4247字)
