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原子力発電所 不安が強いのに…安全監視独立機関をなくした新政府

登録:2013-01-16 20:49 修正:2013-01-17 10:02
規制機能‘原子力安全委’廃止
未来科学部傘下に改編 論難
"原発の拡大と規制を同じ船に乗せるのか"

 大統領職引継委員会の政府部署改編案として原子力安全委員会(原安委)を未来創造科学部傘下に移管したことが、原子力発電所の安全性を落とすという憂慮と批判が強く提起されている。 原発の安全を受け持っている規制機関を、原子力利用拡大と技術開発を担当する部署の下に編入させたためだ。

 全国76ヶの市民団体・宗教団体で構成された‘核なき社会のための共同行動’は16日声明書を出して「今回の決定で我が国は世界で最も後進的な原発安全規制体系を持つことになる危機を迎えている。 独立した原安委をなくし未来創造科学部傘下に格下げさせた決定を取り消さなければならない」と要求した。

 日本、福島原子力発電所事故後、2011年10月にスタートした原安委は原子力発電所の故障・事故発生時に原因を分析して再稼働を決めたり、原子力発電所部品納品不正を糾明して月城1号機のように寿命完了を控えた原子力発電所の延長可否を審査するなど、原子力発電所の安全に責任を負う権限を持っている。 知識経済部と教育科学技術部が原子力発電所稼動率向上と核廃棄物の利用を熟慮するならば、原安委は安全性を基準にこれを監視して制御する‘司法機関’の役割をしている。 原子力の振興と規制を分離して、規制機関の独立性を強調したのは国際原子力機構(IAEA)の長期にわたる勧告事項でもある。 チョン・ドゥオン ハンナラ党(現セヌリ党)議員が2009年から原子力発電所規制機関の独立の必要性を盛り込んだ法案を発議したのはこのような脈絡からであった。

 業務引継委員会の今回の決定は原子力発電所安全に関する最小限の安全装置をなくすもので世界的な流れにも反する。 米国では1975年原子力規制委員会(NRC)を独立させて、今も運営中であり、最近5年間にフランス・カナダ・ロシアなどの国も規制機能を強化してきた。 日本も原子力発電所の運営と利用を総括する通商産業省の傘下にあった規制機関を、昨年6月環境省の下に移して独立させた。

 ヤンイ・ウォンヨン環境運動連合局長は「国際機構がかなり以前から韓国と日本の規制機関独立を指摘してきたが、今回の改編で元の木阿弥になった。 事業推進と規制が一つの部署に共存するならば、当然に推進側に力が傾き 規制側は形式的な脇役の役割をせざるを得なくなる」と批判した。 ソ・ギュルリョル ソウル大原子核工学科教授も「原子力発電所の振興と規制を同じ船に乗せるということは原則的に問題がある」と指摘した。 ソ教授は「今回の部署改編は原安委が去る1年間に韓国水力原子力などをまともに監視できなくて、規制機関としての役割をきちんと遂行できないためと見える。 未来創造科学部所属になっても規制機能を弱化させては絶対にならない」と語った。 イ・スンジュン記者 gamja@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/570037.html 韓国語原文入力:2013/01/16 20:02
訳J.S(1349字)

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