大韓帝国最後の皇帝純宗(スンジョン)の戴冠式が1907年に挙行された徳寿宮(トクスグン)内の近代様式の建築物「惇徳殿(トンドクチョン)」が100年ぶりに再建され、その姿を現した。
文化財庁宮陵遺跡本部は22日午前、徳寿宮の惇徳殿前でチェ・ウンチョン文化財庁長、文化遺産国民信託のキム・ジョンギュ理事長ら関係者が出席する中、扁額(へんがく)除幕式を行った。公開された扁額は、国立故宮博物館で保管中の旧韓末の原本を実測し、伝統的な顔料を使って作られた複製品。チェ庁長は「歴史の中の一場面として消えた惇徳殿の再建を記念する扁額を除幕することになり感慨深い。残る展示物の設置作業を無事に終え、9月に完全なかたちの惇徳殿をお見せできるよう努力する」と語った。
惇徳殿は徳寿宮の石造殿(ソクチョジョン)の裏にある西洋式の2階建ての建物だった。全面が赤レンガで覆われていた惇徳殿は、南の石造殿とともに徳寿宮を象徴する近代建築として有名だった。高宗即位40周年を祝う記念行事の会場として使用するために1902年ごろに建設され、その後、国内初の近代式迎賓館などとして使われ、大韓帝国の各種儀礼や式典が行われたが、1920年代に日帝が徳寿宮の敷地を分離して道路を拡張したことで取り壊されたと伝えられる。文化財庁は2017年の発掘調査で発見されたタイルやレンガなどの遺物、遺構や考証写真をもとに2018年に再建設計を終え、2019年に工事を開始。昨年11月に完成した。
文化財庁は内部展示の準備を終え、内部と外部ともに9月に惇徳殿を正式に開館する。開館に先立ち7月から惇徳殿の夜間ライトアップを行うととともに、工事シートで覆われていたため近づけなかった周辺の一部領域も公開する予定だ。