2022カタールW杯で闘魂を見せたソン・フンミン(30、トッテナム)が鎮痛剤のうち一番弱いものを使っていたことが分かった。イ・ジェソン(30、マインツ)も足首の調子が悪かったが、手術まで先送りして渾身の力を振り絞ったという。
2022カタールW杯で韓国サッカー代表チームの主治医を務めたサムスンソウル病院のワン・ジュンホ整形外科教授は、最近ある番組に出演し、眼窩底骨折のケガをしたソン・フンミンがリスクを抱えてプレーしていたと語った。
ワン教授は「通常、手術後2~4週間は麻薬性の鎮痛剤や強い薬を使うが、ドーピングと薬物検査のため、手術当日の麻酔を1回だけ使用し、その後は鎮痛剤の中で最も弱いタイレノール系の薬のみで痛みに耐えた」と伝えた。
試合中の痛みと関連し、ワン教授は「幸いにもプレー中には痛みを感じなかったという。 医師の立場からすると、手術から3週間も経たないうちに試合に出場するのは危険すぎると思った。特にヘディングの時はハラハラしたが、何の問題もなく無事に終わって良かった」と語った。
ソン・フンミンは眼窩底骨折の手術後、フェイスガードをつけて決勝トーナメントまで4試合すべて先発フル出場し、チームの中心的な役割を果たした。
イ・ジェソンもコンディションが万全ではない中、渾身の力を振り絞ったという。ワン教授は「イ・ジェソンは9月の国際Aマッチの時も足首の状態が良くなかった。 チームに対する強い責任感から、手術をW杯以降に先送りしたようだ」と話した。
これに対してイ・ジェソンはソーシャルメディアに「最近私のケガについて多くの方に心配いただいているため、お知らせします。手術するよりは治療を受けながら残りのシーズンを走り抜くことにしました。ご心配には及びません」という書き込みを残した。
イ・ジェソンは今回のカタール大会で、ミッドフィルダーとして1次リーグのウルグアイとポルトガル戦、決勝トーナメントのブラジル戦に先発出場した。ガーナ戦には欠場した。
また、ワン教授はハムストリング(太もも)を負傷したファン・ヒチャンの1次リーグ最後のポルトガル戦投入は、パウロ・ベント監督の絶妙な采配だとも語った。「ファン・ヒチャンが(1次リーグ)第2戦には出場できるのではないかと思っていたし、本人も出場への意志が強かった。しかし、ベント監督は最後まで待って、ファン・ヒチャンが最高のコンディションの時に投入した。采配が当たった」と話した。
ファン・ヒチャンは実際、ポルトガル戦の終盤、ソン・フンミンの「神がかり」のパスをそのままシュートにつなげて決勝ゴールを決め、韓国をベスト16に導いた。ファン・ヒチャンは回復を速めるため、リハビリ中に氷風呂に入るなど闘志を燃やしていたという。