本文に移動
全体  > 文化

[W杯]韓国、最強ブラジルを相手に「強攻」に出たが…枯渇した体力がネックに

登録:2022-12-06 10:27 修正:2022-12-06 12:37
ソン・フンミンら主力選手の体力も尽き 
序盤で失点重ね、ブラジルの個人技に崩れる
5日夜(現地時間)、カタール・ドーハのスタジアム974で行われた2022カタールW杯決勝トーナメント対ブラジル戦で、ソン・フンミンがブラジルの守備壁を突破している=ドーハ/キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 「強対強」対決。ベント監督は攻撃的に計画を練った。しかし、世界最強チームを相手に冒険的要素が強かった。選手たちの体力は枯渇した状況。勝つために選んだ決定だが、結果的に作戦は失敗した。

 パウロ・ベント監督率いるサッカー韓国代表チームは6日(韓国時間)、カタール・ドーハのスタジアム974で行われた2022カタールW杯決勝トーナメント1回戦の対ブラジル戦(1-4)で、序盤から攻撃的に出た。6月に国内で行われた親善試合でブラジルに敗北(1-5)した経験があり、ブラジルがFIFAランキング1位という点を考慮すれば、果敢な戦術だった。

 ベント監督はこの日、ソン・フンミン(トッテナム)とチョ・ギュソン(全北)の2人を最前方のフォワードに立たせる4-4-2のフォーメーションを使用した。2人のFWは相手に負担をかけられる。だがMFの数が減る分、中盤での圧迫は緩む。グループリーグまではきめ細かく中央を掌握していた形から変化を与えたのだ。

 中央と守備陣営の選手たちもブラジルの攻撃に激しく対抗した。ブラジルがスピードを上げると、同じように攻撃の際には素早く攻め上がった。

 しかし、前半7分にヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)の先制ゴール、13分にネイマール(パリ・サンジェルマン)のペナルティーゴールで失点し、焦りが見えはじめた。これにより、逆襲を急ぐあまり途中でボールが切れると危機に直面し、時間がたつにつれて走る量が多くなり、守備と攻撃陣の間隔がますます広がる悪循環が続いた。

 グループリーグの3試合での血戦で体力切れになったのも、この日の大敗の原因となった。疲労が溜まった選手たちは、グループリーグで試合を休んでエネルギーを補強したブラジル選手たちの一瞬の逆襲を防ぐために走る力も足りなかった。ブラジルの3点目、4点目のゴールは、韓国が守備で圧倒的な優位を持てない状態で奪われた。また、優位だとしても相手がボールを回す時に片側にスペースを明け渡すなど、弱点をさらした。

5日夜(現地時間)、カタール・ドーハのスタジアム974で行われた2022カタールW杯決勝トーナメント対ブラジル戦で、ゴールを決め喜ぶブラジル選手たち=ドーハ/キム・ヘユン記//ハンギョレ新聞社者

 選手層が薄い韓国は、ソン・フンミン、チョン・ウヨン(アル・サッド)、ファン・インボム(オリンピアコス)ら主力選手に大きく依存せざるを得ない。ブラジルや日本などのように資源が多く選手団の体力を配分しながら試合を運営できるのとは異なる。当然、選手たちの力が落ちるのは避けられない。

 ベント監督は後半、ホン・チョル(大邱)、ソン・ジュンホ(山東泰山)、ペク・スンホ(全北)、イ・ガンイン(マヨルカ)らを投入して活力を吹き込もうとした。だが、ブラジルDFの熟練したプレーと瞬時に押し寄せる逆襲に、うまく活路を見出すことができなかった。それでもペク・スンホの痛烈な中距離シュートのおかげで零点は免れた。

 キム・デギル解説委員は「平日も週末も相次いで試合をし、体力が落ちて相手を圧迫するのが難しかった。選手運用の幅が狭く、主力選手たちの負担が増した。韓国の強みを生かせず、体力を蓄えたブラジルに大量失点した」と分析した。

キム・チャングム先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/sports/soccer/worldcup/1070350.html韓国語原文入力:2022-12-06 06:56
訳C.M

関連記事