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イ・セドル、囲碁界引退…19日、プロ引退届提出

登録:2019-11-20 02:56 修正:2019-11-20 07:43
韓国棋院棋士会脱退に続き、プロ棋士引退届 
国内活動不可…中国など海外でも困難に 
 
人工知能と対決1勝など数々のエピソード残し 
成績ベスト10から下落など第一人者のプライドが影響 
あとは事務総長や棋士会長、総裁の決裁のみ
イ・セドル9段=キム・ボンギュ記者//ハンギョレ新聞社

 イ・セドル9段(36)が囲碁界から引退した。

 イ・セドル9段は19日、韓国棋院にプロ棋士引退届を提出した。すでに韓国棋院棋士会に脱退届を出しており、この日、プロ棋士引退届も提出したことで活動を締めくくった。イ・セドル9段は韓国棋院主催の各種の棋戦に参加できない。事実上、中国や日本など海外の舞台での活動も容易ではなさそうだ。イ・セドルの引退届は事務総長と総裁の決裁を経て処理されるものとみられる。

 1995年入門のイ・セドルは独特な着想と戦闘的気質で一時代を築いた天才棋士だ。しかし、加減のない自己主張と第一人者としてのプライドから囲碁界の既成秩序に挑むなど、多くの話題を呼んだ。また人工知能「アルファ碁(AlphaGo)」との対決で1勝4敗を記録し、公式戦で人間が記録した唯一の1勝の主人公となった。

 イ・セドル9段は風雲児的気質を持っている。プロ3段時代の1999年には韓国棋院の昇段大会に応じないと宣言し、結局屈服した韓国棋院は2003年から優勝記録や対局戦績を昇段審査に反映する形に制度を変えた。2009年には国内最大の韓国囲碁リーグに参加しないと宣言したため、韓国棋院が「ランキング10位までは必ず韓国囲碁リーグに参加しなければならない」という条項を作った。各種棋戦の開・閉幕式に棋士が義務的に参加して、対局の開催場所や時間など決まった日程表を遵守しなければならないという規定もイ・セドル9段が原因で作られた。

 一方、論争の中心に立つ場面もあった。プロ棋士たちの集まりである棋士会を相手に、これまで源泉徴収してきた賞金の一部(3~5%)を返してほしいとして訴訟に打って出たのが代表的な例だ。2016年には棋士会に脱退届を提出した。しかし、優勝者の賞金の一部を財源にしてきた棋士会の立場からは反感も多かった。韓国棋院も今年、「プロ棋士として入門すれば棋士会の会員になり、棋士会の会員だけが棋戦に出場する」という条項を新設した。

 囲碁界の関係者は、「イ・セドル師範はプライドが高い。勝負欲が強いが、近ごろはランキングがベスト10圏外。第一人者としてのプライドが許さなかったようだ」と分析した。

キム・チャングム先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/sports/baduk/917648.html韓国語原文入力:2019-11-19 17:46
訳D.K

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