登録 : 2016.01.30 10:03 修正 : 2016.01.30 10:07

参加型アイドルグループと成長型アイドルグループは「無限競争」というシステムの中で作動する。Mネットの「プロデュース101」の一場面=Mネットからキャプチャー//ハンギョレ新聞社
 1月27日、SMエンターテインメント(以下、SM)のイ・スマン会長は、SMタウン・コエックスアティウムで、開放性と拡張性を前面に打ち出した新たいアイドルグループNCT(Neo Culture Technology)を公開した。NCTは、ソウル、東京、北京などの都市で同名の別途のチームを設けて活動する新しい概念のアイドルグループだ。イ会長は「新しいメンバーの招聘は自由でメンバー数に制限がない。開放性と拡張性を持ち、本当の韓流現地化を実現させるだろう」と話した。「インタラクティブ」をキーワードにした新しいプロジェクトも公開された。デジタル音源公開チャネル「ステーション」のローンチング、EDM(電子音楽)レーベル設立、モバイルアプリのサービス運営、新人プロデューシングアプリ「ルキスエンターテインメント」のローンチング、マルチャネルネットワーク(MCN)のコンテンツおよびプラットホーム事業などだ。

 1月22日にはMネットの新規プログラム「プロデュース101」が初放送を始めた。ガールグループのデビューを夢見る101人の企画会社練習生を対象に、視聴者の投票を通じて11人のガールグループのメンバーを選ぶプログラムだ。「国民プロデューサー」と呼ばれる視聴者が毎日1回ずつホームページで自分が好きなメンバー11人に投票することができる。こうして選ばれるとガールグループとして1年間活動することになる。

 1月8日には、CJ E&M(以下、CJ)が企画会社ライブワークスカンパニーとともに進める新しいKポッププロジェクト「少年24」を発表した。24人で構成される男性アイドルグループの少年24は、常設公演会場で一年中ライブ公演を進め、彼らのなかで厚いファン層を持ったメンバーはもっと大きな舞台に進出することになる。CJはこのプロジェクトに約250億ウォン(約25億円)を投資すると明らかにした。

 メンバー数に制限がないNCT、投票でだけ101人から11人を選抜するプロデュース101、そして365日ライブ公演を繰り広げる少年24。国内最大のエンターテインメント企業のSMと最も影響力あるチャネルを持つCJは、新たな時代が始まったと宣言するかのように、2016年1月、これらプロジェクトの開始を伝えた。

 いずれも新たなプロジェクトという点を強調しているものの、よく見るとまったく新しいというわけではない。都市を拠点に活動するグループというコンセプトや投票だけで順位を決める方法、専用劇場でライブ公演をするやり方などは、日本のガールグループ「AKB48」が日本で成功を収めた公式だ。“パクリ”と批判するより、各企画会社と製作会社が成功した構造とシステムを現在のKポップ市場に合わせて変形し、さらに前向きの形態で適用すると解釈する方が生産的だ。新しい挑戦であるのが明らかなこれらのプロジェクトから、今のKポップ市場を読み解くいくつかのキーワードがある。参加型アイドルグループと成長型アイドルグループ、そして無限競争だ。

メンバー数制限のない新グループ、NCT
投票だけで11人を選ぶプロデュース101
365日ライブ公演を繰り広げる少年24

視聴者を「国民プロデューサー」に
文字投票よりも深く参加させ
結局はお金をもっと使わせる消費者へ

参加型・成長型アイドルグループの方式では
個人の実績によりいつでもメンバー交替
“無限競争”の体制に追い込むことに
政府の「低成果者解雇」の指針とそっくり

 アイドルグループ市場が生まれて20年を過ぎた。20年という時間が流れたほどに市場は大きくなり、また複雑になった。飽和状態の内需市場を克服しようと企画会社は国内外で新たな市場を切り開こうと努めている。大衆は似たようなアイドルグループと繰り返される活動方式ではない新しい楽しみを望んでいる。その接点に生まれたが参加型アイドルグループ、そして成長型アイドルグループだ。

 アイドルグループに対する大衆の参加は、アイドルグループのメンバーを選ぶサバイバルプログラムで、視聴者投票を通じて審査委員の点数とともに結果に影響を及ぼす間接的な方法が主流だった。その方法がさらに直接的なものに変わっている。プロデュース101には審査委員がいない。視聴者投票だけで毎回順位が決まり、最終的なデビューメンバーが決まる。大衆が参加する時期もデビューだけでは終わらない。新しいグループの具体的な運営方式は公表されていないが、これまでの発表によれば、NCTや少年24はデビューした後もファンの選好によりメンバーの新規招聘または脱退、選好度にともなう活動領域調整などがあると予想される。自分が応援したり支持するメンバーをデビューさせ、またデビュー後も競争に負けず生き残れるようにするカギを大衆の手に渡すということになる。

 積極的に参加する大衆を呼ぶ新しい用語も生まれた。「プロデューサー」だ。プロデューサーはサバイバルプログラムを見て文字メールを送りつけるだけの判定団とは違う。プロデューサーにはアイドルグループのメンバー全体をキャスティングしてコンセプトを決める役割まで与えられる。プロデュース101は視聴者を「国民プロデューサー」と呼ぶ。このプログラムの初放送で100人余りの練習生は、カメラに向かって視聴者に「プロデューサー様よろしくお願いします」と叫んだ。SMが出した新人プロデューシングアプリ「ルキスエンターテインメント」に加入した参加者は「インターンディレクター」として練習生をキャスティングし、トレーニングさせることができる。どんどんディレクターのレベルを高めていけるゲームに近い感覚だが、アプリで積極的に活動すれば、アイドルグループのアルバムに実際に名前を載せることだってできる。プロデューサーとして練習生をトレーニングさせてデビューメンバーを決め、コンセプトに対するアイディアを出して実力を積み、人気を得る過程を見守りながら成長を確認し、デビュー後も競争で負けないように支援し、その支援が別の成長につながるという“大きな構図”を、他の大衆やファンと共にするという意志をNCTと少年24などから読み取ることができる。

 そうだとして、本当に大衆やファンがプロデューサーの役割を果たすことができるのだろうか?今のところは懐疑的だ。企画会社や製作会社がファンに「プロデューサー」という名刺まで配り、より長くて深い参加を誘導するのは、大衆の積極的な参加が安定した収益の創出につながるためだ。積極的な参加ができる空間が広がり、アイドルグループに対する接近距離は縮まり、小さいが影響力を及ぼせるようになるなら、ファンの忠誠心はより高まるほかない。その忠誠心は多様なコンテンツ販売につながる。少年24プロジェクトの中心には一年中定期的に進行されるライブ公演がある。公演に出演する彼らをもっと頻繁に見るため、また自分が応援するメンバーをもっと大きい舞台に進出させるため、固定ファン層が着実にチケットを購入する定期的な収益を期待することができる。ルキスエンターテインメントのアプリの場合、より多くをキャスティングしてプロデューシングするには「クッキー」を充電しなければならない。クッキーはもちろん現金で充電する。プロデューサーは積極的に参加して、より多くのお金を使うことが期待される消費者の別の名にすぎない。

 参加型アイドルグループであれ成長型アイドルグループであれ、「無限競争」というシステムの中でしか作動しない。無限競争という環境と構造が正しく組み込まれてはじめて、大衆の積極的な参加とアイドルグループの成長は期待効果を出すことができるのだ。イ・スマン会長のプレゼンテーション後、マスコミはSMが積み重ねてきた文化技術の結晶体になる“新概念グループ”という点を記事の題に選んだが、記事のコメントやSNS、コミュニティ掲示板には「アイドルグループも今や非正規雇用」という文が寄せられている。韓流とKポップの競争力という名分の下、アイドルグループのメンバー個人の実績で交替されたり降板させられるという現実が、政府の労働改革二大指針のなかの、低成果者の解雇を可能にさせた「一般解雇指針」と重なるためだ。「メンバー交替はない」を原則にしてはいるものの、なにかあれば対応するだろうし、メンバー交替自体を原則や方式として公表しているわけではない。

 こうした方式が一つのトレンドになれば、活動中のアイドルグループのメンバーと今後デビューするアイドルグループのメンバーすべてを雇用不安に追い込む可能性が高い。政府が労働改革を通した青年失業の解消を主張するように、これらのプロジェクトを通じてより多くの練習生の“夢”が実現するかのようだが、それは言葉遊びにすぎない。

 新しい市場開拓も良いし、積極的な大衆の発掘も結構だが、それとともに進めねばならないのは、持続可能な生態系を構築する努力だ。アイドルグループのメンバーはほとんど10代で企画会社と契約して活動を始める。自分がどんな労働環境と条件で仕事をしているのか正確に判断できない彼らを無限競争システムの中に押込むことが、正しいことなのか。そうすべきだと言うなら、どんな悪影響が予想され、補完策は何なのか大衆と共に語られるべきだ。アイドルグループの積極的な消費者をプロデューサーだと呼ぶ以上、このくらいの疎通はなくてはならないはずだ。それが本当のインタラクティブではないのか。

アン・インヨン/テレビコラムニスト(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-29 20:11

http://www.hani.co.kr/arti/culture/music/728561.html訳Y.B

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