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春川中島遺跡から三国時代の石槨墓が初出土

登録:2015-06-04 09:24 修正:2015-06-04 09:33
レゴランド建設用地の北東側で発見
 高句麗系金製耳飾りに注目
 小型石槨墓、さらに分析が必要
中島遺跡で発見された三国時代の石槨墓全景=文化財庁提供//ハンギョレ新聞社

 韓国最大の先史時代遺跡であるにもかかわらず、テーマ遊園地レゴランド建設用地に指定され保存議論を呼んできた江原道春川(チュンチョン)の中島(チュンド)遺跡で、三国時代の墓と貴金属副葬品が初めて確認された。

墓内で確認された高句麗系の金製耳飾り=文化財庁提供//ハンギョレ新聞社

 文化財庁は五つの発掘機関が進めてきた中島遺跡の2次調査地域で、最近、三国時代の小型石槨墓1基が出土し、この墓から高句麗系の金製太環耳飾が出てきたと3日発表した。 韓国内の先史遺跡の代表に挙げられる中島から、時代的にはるかに後の三国時代の典型的な墓様式が確認され、高句麗風の貴金属遺物が出土したことは、中島発掘が始まって以来初めてであり学界の関心が集中している。

 調査団によれば、発掘された墓はレゴランド建設用地の北東側の支石墓(コインドル)墓群付近で発見された。 北東と南西側を主軸として石槨が作られ、後代に積もった上地層が畑として耕作され蓋石と壁石の一部が破壊された状態だった。墓のくぼみの大きさは長さ320センチ、幅260センチ程度だ。 底部に小さな川石を敷き、遺体を載せる“屍床”が作られ、南側の床から墓の主人のものと推定される脚骨の一部がほとんど土に変わった状態で確認された。

 目を引くのは墓の中央北側から出土した高句麗系の金製耳飾りだ。この耳飾りは主環と遊環、連結環、球体(主環の下に付く装飾)、円盤形装飾、分銅形装飾など、精巧な部材で構成されている。 全体の長さは4.5センチ程度で、主環の直径は約1.8センチ、幅が約1.4センチの円形で、遊環の長さは約1.4センチ、幅が約2.1センチの楕円形を帯びている。 球体は14個の小環を繋いであり、上下に肉厚の環をろう付けで接合し連結環と円盤形装飾をつないでいることが特徴だ。

 過去に出土した高句麗系金製耳飾りの様式と比較してみると、平壌(ピョンヤン)大城(テソン)区域の安鶴(アンハク)洞で出土した耳飾り、忠清北道清原(チョンウォン)郡上鳳(サンボン)里から出土した耳飾りに類似した構造だ。 球体と円盤形装飾、分銅形装飾が大きくなり発展した姿を見せる点などから、既存の耳飾りよりは多少後代の6世紀に製作されたものと推定される。 遺跡を調査した芸脈文化財研究院のチョン・ヨンウ院長は「高句麗の辺境である中島から貴族が所有する金製耳飾りが出土したということは異例であるだけでなく、相当な歴史的意味を持つと見ることができる」と話した。 しかし彼は「今回発見された石槨墓が三国時代のものであることは明らかだが、耳飾りのように高句麗系であるかは確実でなく、さらに検討と分析が必要だ」と付け加えた。 3月から始まった今回の2次発掘調査では、青銅器・原三国時代の住居跡や支石墓、三国時代の畑なども多数確認されており、追加調査が進行中だ。

以前に忠清北道清原郡で出土した高句麗耳飾り =文化財庁提供//ハンギョレ新聞社

 中島遺跡は北漢江と昭陽江が出会う首に位置したところで、先史時代から青銅器、鉄器時代までの多様な住居跡と墓群などが密集している。 1980年代に国立博物館が調査して以来、「中島式土器」等の各種生活遺物と住居跡、支石墓、人骨などが相次いで発見され、韓国を代表する先史遺跡地と評価されている。 2011年に江原道と春川(チュンチョン)市は中島に英国の玩具企業レゴランドのテーマパークを誘致したが、遊園地の建設に先立ち2013~14年の1次発掘調査で国内最大規模である1400余の青銅器時代の村跡遺跡が発見されて遺跡の保全問題が争点になった。 レゴランド建設の妥当性と支石墓など遺跡遺構の保存活用方式を巡り今も議論が続いている。 文化財庁は9日午後2時から中島遺跡現場で公開説明会を開く予定だ。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/694125.html 韓国語原文入力:2015-06-03 21:11
訳J.S(1859字)

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