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[書評] 朝鮮半島の日帝軍事施設を一人で暴く

登録:2014-12-25 21:17 修正:2014-12-26 05:47
『韓半島は日帝の軍事要塞だった』
イ・ワンヒ 著/ナナム・2万4000ウォン
『韓半島は日帝の軍事要塞だった』//ハンギョレ新聞社

 2013年麗水(ヨス)一帯の旧日本軍軍事施設を取材している間、同じテーマでその場所に立ち寄ったというある人物の話を聞いた。この本の著者イ・ワンヒ ディレクターが「それは私だ」とカミングアウトした。当時、韓国放送(KBS)釜山総局の編成製作局長だった彼は、2年間週末ごとに釜山、巨済(コジェ)、統営(トンヨン)、南海(ナメ)、麗水(ヨス)、木浦(モクポ)など、南海岸一帯を徘徊していた。 2009年に「済州島(チェジュド)陣地洞窟の秘密」「1945年韓半島は日帝の決戦基地だった」という番組を作った後のことだ。 この本は予想された結果だが、一人で行った作業であることを考慮すれば、想像を絶するものだ。

 『重歩兵連隊史』、アジア歴史資料センター(JACAR)のアーカイブなど、日本側の資料を基に現地の地域元老と郷土史学者の証言と現場検証を経て、露日戦争、太平洋戦争など40年にわたり日本人が朝鮮半島に構築した軍事施設の大きな絵を描いた。 原爆がなかったなら韓国は廃墟になっていただろうという結論。 軍事専門家でない著者が、テキスト資料と残存した遺構を対照しながら当時の使途を正確に再構成することは極めて困難に見える。 使途が重なっているうえに、ほとんど破壊されて一部だけが残り、それすら米軍と韓国軍によって改造され原形を失っているためだ。

 著者の問題意識と勤勉さは賞賛に値するが、国家機関や専門家集団がなすべき仕事を個人が一手に引き受けなければならない現実が嘆かわしい。

イム・ジョンオブ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/670827.html 韓国語原文入力:2014/12/25 20:18
訳J.S(809字)

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